わりとありふれた言葉として「面白い」というのがあります。「面白い」というのはらっきょが転がってもくっつくくらい便利な言葉で、何がどう面白いかということを述べなければ何の意味もないのではないかと思っています。昔「ライ麦畑でつかまえて」を面白いからといって薦められて、何がどう面白いのかわからないまま最後まで読めなかったので、他人様が面白いと思うものはおのれが面白いとは限らないという学習をして、人間としてなにかがズレてるのだな、と思うようになりました。
世の中の「面白い」ってのがわからないことがあります。「期待を裏切る面白さ」とか「抱腹絶倒の面白さ」とか気心の知れた人には訊き返すのですが、そうでないときに「面白い」といった場合はどういう面白さをさすのかいまだにわからなかったり。些細なことなのですが、世の中がまだ理解できていない部分があります。