赤めだか

はてなのお題が「最近おもしろかった本」ですが、「おもしろい」ってのは難しかったりします。
小学校高学年だったか中学の教科書に「附子」という狂言があって、毒だから近づくな、と言われたんだけどのぞきこんでしまい、気になって舐めてしまうのだけど、なぜなめたかということの理由を無理矢理考え出さねばならなくなり、茶碗と掛け軸を割って「(大事なものを壊したので)死んで詫びようと思った!でも死ねなかった」ということにしようともくろんだ、そこに主が返ってきた、さあどうなる…というお話です。え、どうするの?どうするの?というのの連続なので、言葉が細かいところまでわからないけどそれなりに熟読しちまったことがあります。他人の危機というのはどう転ぶかわからぬゆえ、ハラハラしちまうところがあります。そういうハラハラしちまうところにおもしろさの要因のひとつがあるのかもしれないのですが、ややこしいことを書いておくと、おのれの危機的状況下ではそのハラハラはけっして面白いことではありません。それを踏まえると「おもしろさ」ってなんだろう、って思っちまうのですが、こたえはありません。面白さなんてなくて単にその時々に面白いと思える話が有るだけだ、なんてことも言えそうですが。おもしろいという言葉にひっかかるとこうもだらだら書いちまうめんどくせえ性格が嫌なのですが、万人受けするかどうかはわからぬものの、こむずかしいことはさておきなにか誰にでも読める本を一冊教えろ、さもなくば殺す、という状況下で他人にすすめるとしたらこの一冊、というのを書いておきます。
立川談春師匠の「赤めだか」という本です。故・談志師匠の弟子で、主として修行中のことを書いているノンフィクションですがハラハラしちまう場面もあるほか、ほめることや教え方についての経験に基づく吐露などがあり、ああわかるなあ、というのがありました。
そう遠くないうちにTBSで談春師匠を嵐の二宮くん、談志師匠をビートたけし(立川錦之介)師匠、というキャストでドラマ化の予定です。それからでも遅くはないのですが、本のほうが読みかえしもできますから、お得かもしれません。