小倉あんの載ったトーストというものが名古屋にはあったりします。名古屋生まれではありませんが、名古屋に一時いたことがあってどんなものかは知っていて、小倉トーストのメニューを東京・丸の内のビルで見つけ、懐かしいと思ってオーダーして食べちまう程度には慣れ親しんだ味です。あの地の料理というものに、どこか心揺さぶられるものがあります。
熱田神宮からそう遠くないところに蓬莱軒といううなぎの店があります。そこの名物料理が「ひつまぶし」で、お櫃に入った切り刻んだうなぎとごはんを、お茶碗によそってそのまま食べたりお茶漬けにしたり薬味を入れて食べたりします。さすがに蓬莱軒で食べたことはありません。が、どういうものかは知っていて、名古屋コーチンのお店でひつまぶしがあるのに気がついて、値段を観ると2000円しないので、鶏じゃなくてもいいかなあ・これくらいの贅沢ならいいかなあ・暑いしスタミナつけなくちゃな、とおもって喜び勇んでそれをオーダーしました。
したのですが、お櫃を開けてみると中にいるのはうなぎではなく、刻んだ名古屋コーチンがそこにいました。なぜコーチンの店でうなぎが出てくるなどと期待してしまったのかよくわからないのですが、若干テンション下がっちまったのは事実です。幸いにしてまた来ようかなと思える程度にとてもおいしかったものの、この誰にも言えない精神の乱高下をどこにぶつけていいのかわからないので、文字にしてみました。
