炭団坂

ことしも残すところわずかとなりました。しかしこの期に及んで、またもみじを。

けっこう落葉してますが、わずかに生き残りが踏ん張ってました。三四郎池のそばです。

今日は東京の天気は、晴れ。水面に映る空がほんとの空より青くみえます。でもって、この池は意味もなくなんとなくよりみちしちまうところです。


カメラをかばんに忍ばせといたのは前日にブラタモリ・本郷台地をみてたせいです。

本郷三丁目の交差点からみた本郷通。旧中山道です。うっすら坂になってるの、わかりますかね。それほど余裕があるわけではないけど時間ぎりぎりまで寄り道することにして(いわゆる逃避行動)、坂の下からはじまる川のあとの(写真はないけど)菊坂をくだりました。菊坂のさらに下に菊坂下道ってのがあって、そこから南へ曲がる道があるんすが、そこにあるのが炭団坂。

本郷台地の上から炭団坂下(川が削った菊坂渓谷?)を見下ろしてる図です。そんなこと知っててなにになる、ってなたぐいのことを書いておくと、この写真の左が坪内逍遥の邸宅あとで、この坂の下に赤門前で筆耕係をしていた宮沢賢治の旧居あとがあります。本郷から帰郷して書いてるのが文字に従って行動するととんでもない結果が待ち受ける「注文の多い料理店」です。彼は本郷でなにをみたのかなー、なんてゲスな詮索をしちまうのですけども。


で、御茶ノ水。向こう側が水道橋方向。

実はこの景色が江戸時代に本郷台地を掘削したものである、ということをブラタモリをみるまで知りませんでした。神田川って私が子供のころはわりと大雨のたびに水が出ててたしか二十年くらいかけて流域に水を流すトンネルを作って治水対策をしたのですが、江戸時代の治水対策としては神田川の流れを変えてここに流し、江戸城のそばを洪水から守る役目をこの渓谷はもってたわけです。

向こうに見えるは聖橋です。北に湯島聖堂、南にロシア正教(正確には日本ハリストス正教会)のニコライ堂があるので、聖橋っす。

でもって、ニコライ堂・東京復活大聖堂。アーチの下の十字架のようなものは、八端十字といいます。
前にも書いた気がしますが、ニコライ堂って私にとっては特別な場所です。子供のころにめがねを作ったのがこのそばで、鐘の音を知っててもおぼろげな姿しか知らなかったニコライ堂をくっきりと見たのが、私にとって、それまで見てきた世界と同じだけど違うもうひとつのクリアなもの・鮮やかなものがある世界のはじまりみたいものなんすよ。そういう経験があるので私は仏教徒だけど、神様はほんとにいるのかもなー、鐘の音がなってるところに光のようなものを照らしてるのかもなー、なんて思えるんすけどね。今日がクリスマスだからいうわけでわざと書いてるわけではないっすけども。