リングイネ?

私は知ってる分野と知らない分野の落差が激しいです。たとえば唐突にリングイネってなんの料理やねん?って訊かれても判りません。料理でもなんとなく判るのは和食の分野ですが、それはメニューがたいてい日本語で書いてあるからです。大きな声では言えませんが30越えたいまでもメニューが横文字で書いてあってナイフとフォークを使った料理ってのは苦手です。でもってその時点で別のにしようよ、って強くいえばよかったのですが、横文字系の店に入っちまいました。
レストランに入ってうやうやしくいすをひかれて着席してメニューを開いて、同行者と同じくらいの値段のものにしようと思ってみたら、企画もののランチで、ほうぼうのポワレと、チキンソテーと、海鮮のリングイネってのがありました。咄嗟にはほうぼうもポワレってのも謎で、さらにリングイネってのも判りません。よし、だったらチキンソテーを頼もうと思ったら、肝心かなめのチキンソテーを先に注文されちまい、ほんの10秒迷った挙句同じプレート頼んでも芸がないな、と思ってリングイネを頼みました。
この時点でリングイネってのが判っていません。小声でリングイネなんですか?って訊けばよかったんすけど、お飲み物はいつお持ちしますかとかの一連の質問があって流れ的にスマートに訊けずにいて、ウエイターの人が去ったあとに水を一口のんで同行者に訊こうと思ったら別の話になり、サラダが来たあとそれをお上品に食べてたら、いつの間にか時間が経過しちまい、質問する余裕もなくリングイネがいかなるものかわからぬまま肝心の料理が来ちまいました。


リングイネって、パスタだったんすね。


「あーパスタだったのか」ってつぶやいたら、なんだ知らないで注文したの?って小さく笑われたんすけど、なにが出てくるかな?ってわくわくするのも悪くないよー、と切り返しました。そういうの、面白くないっすか。で、あんまり食欲はなかったのですが、残さず食べきれるほどけっこう美味しかったです。

ポワレってなんだか判ってる?って訊かれもしましたが、判らんものは判らないと正直に答えておきました。答えは教えてもらえずに次の機会に持ち越しってことになったんすが。