役に立たない知識を増やして

きわめてローカルな話になるのですが「富士の白雪ゃノーエ」ではじまる行進曲のような農兵節というのが伊豆にはあって、その農兵を伊豆で組織したと云われてるのが韮山代官所江川英龍という幕末に活躍した人物です。その江川英龍がいた韮山代官所を先日建物目当てで寄って見学していたのですが、建物以外にも興味深い資料が展示されていました。

そのひとつが韮山代官所支配の相模国津久井郡の村で幕末に火災があり農具を失ってしまいその農具の資金として三十五両を七年賦で代官所が村に貸したときの資料で、農具はおそらく個人が使うもののはずですが個人ではなく村に費用を貸し付けをしていたのをその資料から読み取れました。江戸期は村請制といって年貢は村が責任をもって納付するシステムで、そこらへんを考えれば村に費用を貸し付けるのは不思議ではありません。

それよりもなによりも災害があったときに被災した地域に対しての(いまでいう生業支援パッケージ的な)支援が存在していた証拠を目にしたのが今回がはじめてで、封建制度がよいものだとは口が裂けてもいわぬものの、「生かさぬように殺さぬように」的な抑圧的搾取が武士身分から農民に対してあったというのは一般的ではなかったのではないか?感が資料を読んでからこちらはあります。もっとも私は史学専攻ではないので他所の事例を知らず韮山代官所支配下地域だけが特殊だった可能性も否定できないのですが。

ここではてな今週のお題ゴールデンウィーク振り返り」を引っ張ると伊豆へ旅行へ行っていました。そのついでに、しけんもなんにもない!身分ゆえに十中八九この先なんの役にも立たない日本史の知識を韮山で増やしています。でも役に立たない知識を増やすことって朝に寝床で寝るのと同じくらい魅力的な気が。

以下、他にも伊豆ではじめて知ったことでくだらないことをひとつだけ。

韮山あたりを走ってる電車は駿豆線といいその駿豆線にはアニメとタイアップしたラッピングされた電車が走っていて以前から知っていて、今回偶然それにぶち当たったのですがラッピングされた電車はラッピングしてない電車に比べて車窓があんまり楽しめないことを思い知りました。本来見えるはずの白雪残る富士山も電車内からは見えにくい。

電車を降りちまえば別で、見慣れた富士山であってもわざわざ撮っちまいました。パンツやブラジャーに隠れているものがなんなのかは知っていはいても見えない状態から見える状況になったときに「ふふっ」となってしまうのと同様に…というと語弊があるかもしれませんが、見えなかったものが見えると、口許が緩むことってないっすかね。ないかもですが。