継続中の愚行(マーマレードについて)

おそらく関東ローカルのはずですが「色は静岡香りは宇治よ味は狭山でとどめさす」という狭山茶の宣伝文句を兼ねた俗謡があります。え?まって伊勢茶は?という疑問は横に置いておくとして(ほんとはよくないかもしれない)、この俗謡が興味深いのは人が良いと判断する点は見た目と香りと味であると喝破してる点です。でもって、この三点が揃うことがあるのか?というと滅多にないのではないか、と思います。

いつものようの話は横にすっ飛びます。

おれ仕事大好きなんだよね、とか、仕事が楽しみで生きがいなんだよね、という人が世の中に居ることは居ると思いますが、残念ながら好きなことを仕事にしているわけではなく、毎朝そんな気持ちにはなれません。くわえて、朝が弱いです。なので朝が来たことを呪いながらパンを焼きます。パンにはマーマレードのジャムを載せてて、品の無いことを書くとジャムの蓋を開けるときにはけっこうな確率でマーマレードの香りを嗅ぎますし、もちろんパンに載せたマーマレードの味を舌で楽しみます。香りと味覚はそれまでの思考をいっぺんシャットアウトすると思ってるのですが、朝が来たことを呪いたくなる気持ちや仕事にまつわるめんどくせえ…というような憂鬱な気持ちをマーマレードの力でいっぺんシャットアウトしています。ここで今週のお題「ケチらないと決めているもの」を引っ張ると、たぶん前にも書いたと思うのですが、ジャムはケチりません。念のため書いておくと塗る(spread)ではなく載せる(put on)です。

ここ数年継続して買ってるのは明治屋の果実実感ジャムのオレンジマーマレードか大人のオレンジマーマレードというやつで、後者は色も鮮やかでリキュールの香りがほんのりして食欲をそそり酸味もありますがすっきりとした甘さでもっと食べたいと思わせ、つまり上記の色も香りも味も三点すべてとどめさすシロモノで特にお気に入りです。でも明治屋のジャムは近所では不思議と売ってるところがありません。くわえて、後者はけっこういい値段で、忙しい時期を中心に買っています。前者も後者も勤務先のそばの大丸で買うことが多く大丸のポイントカードのポイントだけは順調に溜まっています。

住んでいる街のヨーカドーには明治屋のジャムの代わりにセブンプレミアムマーマレードがあるのは知ってはいて物価高の中そちらのほうが合理的な選択であるのは確かで、にもかかわらずそうしていないので贅沢をしているという自覚はあります。もちろん贅沢は敵だという考え方も知っています。ですが、何日か前と同じの繰り返しになりますが、勤労を前にしてモチベーション維持のためというか健康で文化的な最低限度の生活のためには多少の贅沢は敵ではなく味方なのではないか?と思うのです(異論は認める)。