「いやいや」(もしくは自己解決した疑問について)

性格的にお世辞とかおべっかというのが使えなく、同時に、お世辞とかおべっかというものに嫌悪感があり、そのテのことを云われたとしても流してしまうことが多いです。多いですが、先日、隣県である会社の株主総会に出たときに隣に座った見ず知らずの人から「あんた歌舞伎役者みたいだねえ」と最後に云われています。そういうふうに云われたのははじめての経験で面くらいつつ、褒められてるのかと考えてとっさに「ありがとうございます」と礼を述べています。お世辞とかおべっかをまともに受け取ることは厚顔だよな…と承知してますが、歌舞伎を観ていないわけではないので流すことが出来ずにいました。

これを書いているのはくたびれたおじさんで、そこそこ白髪もあります。ここ何年かは短髪気味で、咄嗟におのれの顔に似ている歌舞伎役者というのが思い浮かびません。ついでに書いておくと昔あった顔チェキでは6割竹野内豊です。かといって「歌舞伎役者に似てるっていわれたんだけど誰だと思う?」と彼氏に訊こうものならお世辞を真に受けるバカですと自白しているようなものです。ので、ずっと胸中に秘めていました。

秘めていたのですが勤務先で電話でやり取りをしている際に

「いやいや」

というやんわりとした否定の語句を使った際に狂言や歌舞伎に近い調子で口にしていることに気が付き、ああこれかもしれねえ…と確信を持ちました。先日の総会でも「いやいや、そうではなくて」とか口走っていたはずなのです。そして褒められてるわけではなかったのかな、と。

謎は解けました。そして正直に書くと「なんだ、顔じゃなかったのか…」という寂しさは無かったといったらウソになるのですが。