東博の大覚寺展見学

現在上野の東博大覚寺展をやっていて、この週末に見学していました。(寺のトップで皇室や公家の出身がなることが多い)門跡の執務室として利用されていた御冠の間の再現空間が目当てであったのですが、ほかにも後水尾天皇筆のものであるとか源氏物語大覚寺本や太刀の鬼切丸などが展示されていて、個人的には名前だけは聞いたことがあるのがほとんどで「ああほんまにいた人やったんやな」とか「ほんとにあったんだ」とかまことに頭の悪い感想が浮かんでいて…って、このまま続けるといかに芸術とかに疎いかの自白になるのですが続けます。

展示の中でいちばん印象に残ったのが障子の下部の木板に描かれた渡辺始興という人の野兎の絵です。詳細は東博でご覧いただくとして、草むらで戯れていたり寝転がっていたり耳を掻いていたりしているウサギが12面ほどあり描かれたウサギを眺めてると「なにやってんの」感があり、しばらくそれらを凝視していました。ついでそれらの絵を眺めてると前後の様子が想像でき、口許がつい「ふふふ」となってしまっています。工賃が同じならお行儀のよいかわいいウサギを描けば済みそうなのですがそうはしなかったのは渡辺さんのみぞ知るところではあるものの、幼くして大覚寺に来たやんごとなき身分の子たちを慰めるため、という説を知るととても腑に落ちたのですが。

おまえは芸術を理解しているのか?というとはなはだ怪しいのですが、お行儀のよいものより行儀のよくないものにどうも惹かれることを改めて自覚しました。だから何だ?と云われるとキツいのですが、いい歳してヤンキー気質があるのだな、と自己発見しています。

なお大覚寺展は平成館で来月16日まで。

表慶館では別の展示をやってて興味がないのですっ飛ばしたのですが私はナントカキティというのをウサギと勘違いしていて、呆れられながら「あれは猫」だと指摘を受けています。なんだろ、私が文化の香りの高いものを書くとメッキがはがれるというか素性がバレるのでこのへんで。