忘れもの・無くしもの

いつものようにくだらないことを書きます。

子規の句に「手袋の左許りになりにける」ってのがあります。この句について私は長いこと室内で詠んでいるのではないか、と想像していました。というのは、外だったら外は冷たい風が吹いてますから絶対落としたこと無くしたことにすぐ気が付くであろう、と考えていたからです。個人的なことを書くと朝の出がけに自宅内で片方が不思議と見当たらなくなり焦ることが何度もあって、その経験から自宅内でなぜ片手しかないことが何度も起きるのか、という嘆きだと考えていたのです。

さて、手袋の片手が自らの意思で脱走することはあり得ませんから自宅内で手袋が片手になる現象はどう考えても犯人は私です。ある程度の確率でドアの外にもう片方が落ちてるかキッチンに置いていることが多く、前者は鍵を取り出そうとして手袋を外し→それを落とし→落としたことに気が付かぬまま自宅に入り→寒さを感じませんから無くしたことに気がつかず翌日慌てる、というパターンで、後者は片方の手袋を持ったままキッチンに入り→照明をつけようとしてその近くに置いて→翌朝キッチンに置いた記憶が無くて慌てる、というパターンです。この点については帰宅したらすぐに両手分をちゃんと決まった場所≒定物定位置に置くようにするようにしていて、もしその時点で片方が無いのに気が付いたら鍵の開錠前がいちばん怪しいですから外を確認し回収し、それでもなかったらキッチンかキッチンに至るルートのどこかに落ちてるはずと推測して回収し、というようにして少なくともここ数年はほぼ回避できています。定物定位置は工具の紛失を防ぐ方法でそれを転用していて、もうちょっとスマートにやりたいところですが思いつきません。ここではてな今週のお題「今年の目標どうだった?」を引っ張ると手袋を無くさないという目標は今年もいまのところはクリアしています。でもまだ二十日以上あり、年末に向けて疲労が蓄積しやすく、くわえて、東京でもどんどん寒くなってきてますから気を抜けません。

話を子規の句に戻すと以前はてなにははてなハイクというSNSがあって、そこでは

「手袋は右と左どちらが多く落ちているのか?」

という設題の下、はてなハイク利用者による大調査が行われていました。結果は子規の説が正しかったことが証明されたのですが、興味深かったのは外で落とした人がけっこう多かった点です。ああ子規の句は外で手袋を落として無くしてしまった寒空の下での嘆きなのかも、と想像するようになりました。個人的には上野広小路の停留所で落ちてるのを発見したことがあっておそらく定期などをポケットから出そうとして落してしまった人の遺物かと思われ、ので、交通機関に乗る前には気をつけよう、と他山の石にしていて気を付けていたのですが。

今夏はけっこうな頻度で日傘を常用していました。ところがある日、電車に乗ってから日傘を駅に忘れていることに気が付いています。残高が少なくなったPASMOにチャージしようとして券売機のそばに置き、そのままにしてしまったようで。

来年は日傘も無くさぬように注意したいです。