べったら市へ

10月を神無月と呼ぶことがありそれは日本中の神様が出雲へ行っている前提ゆえなのですが、留守居役として出雲へ行かない神様も居てその筆頭が恵比寿さんでそれを奇貨として

よその地域は知らないものの東京の日本橋の椙森恵比寿と宝田恵比寿では10月の19と20に恵比寿さんの祭礼があります。子供の頃に死んだ両親に連れられてからこちら、都合がつけば祭礼にあわせて参拝するようになり、今日に至ります。

さすがにコロナ禍がひどいときは祭礼は中止でしたがいまは祭礼は完全復活していて

見にくくて恐縮ですがはしご乗りが宝田恵比寿に奉納されているところに出くわしています。私が撮るとはしご乗りというより電線で遊ぶ電線マンみたいになってしまってますが技は本物で

「お」とか「あ」とかまるで日本語にならない感想しか出てこなかったものの、足をとめて見入っていました。

宝田恵比寿の社殿そのものは正直ちっちゃいです。社殿の真上の提灯は歌舞伎役者や近くの劇場や料亭の名前が入っていて縁が深いと思われるのですが、しかし恵比寿さんはどちらかというと商売繁盛や漁業の神様で、そこらへん考えると奇異な印象を受けるものの、なぜなのかは不勉強故に知りません。もっとも私も手術前に寄って恵比寿さんに背中を押してもらっていたりするので商売繁盛と関係なく来ちまってるひとりで、人のこと云えないのですが。

なんどか書いてるのですが祭礼の際に大根を水あめや麹などで漬けたべったら漬けという甘い漬物をあちこちの屋台で売り、なので19と20の祭礼のことを俗にべったら市と呼ぶことがあります。べったら漬けは独特の香りがするので万人受けしないというか正直好き嫌いがはっきり分かれ、私は一切れあればどんぶり1杯イケますが人によっては「よく喰えるね…」的な反応がないわけではありません。その反応をするのが彼氏で、べったら以外ので「美味しい」と感想を共有することがあってもべったらでは差異は埋めることが出来ず、ゆえに「万人が美味しいと思うものはないのではないか?」という仮説を持つようになったのですが…って話がズレた。大事なことを書いておくとべったら漬けは東京の伝統的な秋の味覚のひとつです。

以下くだらないことを。べったら漬け以外の屋台もでていてその中に酒屋があって東北の地酒が1杯500円で、参拝後に花巻のお酒で喉を消毒して来ました。美味しかったので途中で銘柄の名前を尋ねています。ですがそのあと完全に酔っぱらってしまい、その名前を忘れてしまっていて…ってねえ、それじゃダメじゃん。このまま終わると酒好きのダメ人間の参拝記になってしまうので無理やり続けると、その美味しいお酒に出会えたことは確かでその零れ幸いは恵比寿さんの御神徳のはずで、やはりありがたいと感じるので来年も万障繰り合わせて行くつもりです。