宝田恵比寿の祭礼

はてなユーザー以外のひとからすると「なんのこっちゃ?」になってしまうのですが、はてなの編集画面にはここのところ「夏は祭りの季節」という惹句がずっと掲出されています。はてな今週のお題「まつり」を引っ張ると、小伝馬町駅そばの日本橋大伝馬町に宝田恵比寿という吹けば飛ぶような小さな神社があって「べったら市」とか「べったら祭」と呼ばれるその神社の祭礼に通っていますが時期は10月で、大伝馬町の氏神神田明神神田祭は5月です。ので「夏は祭りの季節」といわれると「そんなことねえだろ」感が強いのですが、博多祇園山笠も京都の祇園祭も7月ですから土地によって違ってくるのかもしれません。

宝田恵比寿の祭礼にもかかわらずその名ではほぼ呼ばれることはなく、なぜか「べったら市」とか「べったら祭」と呼ばれるのですが、理由としては祭礼のときに東京ローカルの甘い大根の漬物であるべったら漬けを売るようになったのでそちらで名が通るようになった、という説があります。恵比寿さんがべったら漬けが好きであるゆえにとかではないのが悲しいところですが、花より団子といいますが人の記憶に残るのは神様より食い物なのかなあ、と。

以下、なんどか書いてることなのですが、べったらは厚く切るのが伝統です。個人的にはとても好きな漬物で美味しいと思っていてごはん何杯でもイけますが、彼氏を筆頭に「よくそんなもの喰えるね」という顔をする人も居て、東京都民でも好き嫌いは完全にわかれます。話がズレますが美味しいというのは個人の思い込みと経験から来るのではないか?という仮説を持つに至った経験のひとつなのですが、万人受けする食べ物ではないのできわめて残念なのですが東京を代表する土産物にはならないかなあ、と。

話を戻すと大阪だと「年のはじめのえべっさん」といいますが宝田恵比寿の祭礼べったら市はくりかえしますが(神無月で多くの神様が出雲へ行ったあと江戸東京の留守を守るのが恵比寿さんということで)秋の10月で、19日20日です。ついでに書いておくと笹も無いわけでは無いのですが「笹もってこい」というほどでもありません。同じ日本でどうしてこんなに差異があるのか、ちょっと謎ではあるのですが。