Kilroy was here.(もしくは30年前のメモについて)

高校時代に英語の授業で「テストで重要なところに線を引きなさいという問題は絶対でない、だから、教科書なり本なりで重要なところがあったら自分の言葉でどういうことかをまとめなさい」ということを云っていました。妙に腑に落ちて、その影響からかおっさんになったいまでも本を読んで気になるところは線を引かずレシートを挟み込み、簡単なメモを取ることがあります。

その教師が推奨していたのが気になったいいまわしの辞書へのメモとしての書き込みです。日本語では簡単に説明しにくいbeのところはわりと書き込みました。beは存在の意味があって例としてのGod isのそばに開高さんの著作で知ったKilroy was hereっていうスラングをそのときは深く考えずに書き込んでいます。

さて、そのKilroy was hereは直訳すると「キルロイここに居た」のはずです。しかしもともとは米軍の兵士が占領した地域で書いた落書きで(湾岸戦争時にも占領地に彼らはそう書いていて)それを踏まえて考えると意味的には「キルロイ見参」とか「キルロイ参上」が近いのかもしれません。しかしwasですからそれだとなにかを零れ落としてる感が拭えません。30年以上を経たいまでもどう訳すのが妥当なのかわからず頭を抱えていて、スラングって難しいなあ、と。はてな今週のお題「メモ」を引っ張ると、深く考えずに書き込んだメモがあとあとまで尾を引くことってありませんかねって、ないかもですが。

最後に大事なことを書きます。辞書にメモを書き込むことで私は語彙を増やしましたが、この方法はひとつだけ欠点があります。新しい辞書を買おうとすると既存の辞書に書き込んだメモの転写をせねばならないという問題にぶち当たり、新しいのを買うのに躊躇するようになるのです。さすがにぼろぼろで「買い替えなくちゃ、な」とは思うものの、Kilroy was hereと書き込まれた辞書を手放せずにいます。