目もしくは視線のこと

異性と婚姻して子供を育てるという経験をしていないので、他の人が知ってるかもしれぬことでもきちんとは知らぬことがあります。

ずいぶん前のことですが、電車内で見知らぬ赤ちゃんと目線があって調子にのって微笑んでみると場合によっては赤ちゃんがにこやかに笑ったことがありました。それを見て「ああ、その笑顔を私にも見せて」とそばにいた身内っぽい人が云って、やべぇやっちまった、と降りる必要のない駅で降りたことがあります。以降、(泣いてる子は不思議と目を合わすと泣き止むのでお母さんが難儀している状況で)泣いてる子以外は、なるべく目をあわさないようにしています。

小田急線で、明らかに私より若い旦那さんと奥さんとベビーカーに乗った赤ちゃんのそばに私は居ました。玉川学園を通過したあたりでふと気がつくと赤ちゃんがこちらを凝視しています。マスクしてるからまあダイジョウブかな…と(マスクをしてるからわからぬはずなのですが)目線を返しながら微笑んでみるとにこにこしだしました(赤ちゃんはマスクをしていない)。それに気がついた若い旦那さんが赤ちゃんのほっぺたをつっつくものの、視線はこちらに向けたまま。しまった、と思ってももう遅い。視線をそらして、もうダイジョウブかな、と元に戻すほぼ同じタイミングで向こうも視線を戻してきます。町田からまで新百合まで止まらぬ快速急行に乗っていて、しかしその10分もしない時間が長く感じられ、なんとなく居にくくなり、「なんだかごめんなさい」と若い旦那さんに降り際に告げて(そこが目的地ではないのだけど)新百合で降りてます。いえいえ、と云ってもらったので気にする必要はないかもですが、なんだろ、久しぶりにやっちまった感がありました…って、私の失敗は横に置いておくとして。

言葉をを介さず、そしてマスクしてるので顔の半分は隠れてるはずでそれでも意図がわかるとするなら、目とか視線というのはけっこう重要なんだな、と文字にすれば当たり前のことかもしれぬことを改めて思い知りました。