ちいさなご褒美

去年今年貫く棒の如きもの、ってのは虚子だったと思いますが、去年と今年は棒ではなくてまったく様相が違ってきちまってる気がします。ひとつは感染予防です。このご時世、もしかしたらどこにでもあるかもしれない話をします。他所の会社の担当の人に連絡をとる必要がでてきて朝いちばんに予めもらっていた直通電話をかけたらなぜか大代表の電話につながり「新型コロナウイルス感染予防のため時短勤務を実施してるために当社は10時半から」的な自動音声が流れたことがありました。時短をしてるところは他所も時短で業務遂行してると思ってるのかどうかはわからぬものの一切その告知はなく、せめてその旨一筆どこかに書いておいてくだされ…と時代劇的なせりふ回しが脳内で浮かんでます。結果的に無駄足を踏んだもののここで機嫌が悪くなっても自分にもプラスにならないし誰かのプラスになるわけではないと考えて、つとめて平静を装いながら再度連絡をしたりその他の業務を淡々とこなしたのですが、平静を装えたご褒美として(酒は週末に限定してるのだけど特別に)その日は退勤時に黒ラベルを1缶だけ買って夜に飲んでいます。

私は根はできた人間ではないので回避できぬ出来事に対して、機嫌が悪くなるのをコントロール出来たり不貞腐れずに済んだり、というのに小さな努力が必要な時があります。はてな今週のお題が「自分にご褒美」なのですが、小さな努力ができたときに黒ラベルであったり(炊き立ての白いご飯の上に置くだけで幸福になれる)しば漬けであったり自分に小さなご褒美を与えることがあります。今年は(社会が感染予防にかじを切った)春以降、(感染予防の施策が原因ではないものももちろんありますがそこそこ小さな努力をして)小さなご褒美は去年より頻度がいくらか増えちまってます。

ご褒美なしでやれたらそれはそれで良いことかもしれません。が、犬だってマテをできたら食べ物の頑張ったご褒美貰ってるじゃないですか、って犬とおのれを同列に置いて要らんことを書いてる気が。おれ、犬と同じだったのか。わん。