新しいレンズを作るまでに負う小さな傷

限りなく言いがかりに近いことを書きます。

私は検眼が苦手です。裸眼のほか検眼用メガネをかけてレンズをとっかえひっかえしながら穴の開いている方向について「右、左、上、下」とかやってゆくわけですが、検眼表でランプのついているところを「右」と答えて実際は右であればその下へ行くのですが、右ではない場合、横の別のランプがつき「あ、間違ったんだな」と経験則でなんとなく気がつきます。経験則でって書いたのは左は比較的良くて右が絶望的に悪いので左の検眼の時にすんなり下へ下へ進むことに気がついて「ああそういうことか」と腑に落ちています。他にも以前「左斜め上」だと思って答えて冷たく「左斜め上はありません」といわれたことがあって、私にはそう見えたのでそう答えたのだけど、それらのことが重なって、検眼のシステムが正解あてゲームに思えて、なんだかストレスというかすごく苦手になっています。できることなら答えが当たっている場合のみ下へ下へ進むのではなく、当たってようと当たっていまいとランダムに進むようにして欲しいのです…ってそんなことにストレスを感じる私が変なのかもしれませんが。今週、コンタクトレンズを失くしてしまって今日新しい処方箋を貰いに眼科へ行ってて、検眼をして終わった後に知らないうちに苛立ってるのに気がついて眼科が悪いわけではないので、やはり器の小さい人間なのかも、と実感してます。

でもってその処方箋を持って眼鏡店に行ってます。

レンズのカーブと度数がいくらか特殊っぽくていつも在庫がなく入手するまで時間がかかります。もうずっとのことなのでそれは承知なのだけど、親切心かプロ意識としてか、それを申し訳なさそうに毎回丁寧に説明してくれるのです。それを聞きながら「あんたの眼球は規格外なのだ」と宣告されてる気がしてならず、毎回憂鬱を封印しながら「よろしくお願いします」と頭を下げてお店を出ることになります。今日もまたそうだったのですがお店の人が悪いわけでもなく、なんだろ、説明省略カード呈示で説明を省略できるシステムとかないかなあ、と内金を払いながら夢想してました。

注射とか点滴とか痛いことをするわけではないけど新しいコンタクトレンズを作るまでももろもろの作業が憂鬱かつ微妙にストレスで、コンタクトレンズを失くすたびに「やっちまった感」があって、レンズは2万円台なのですが、毎回2万円以上の見えない小さな傷を負ってる気がします。酒で流せぬ痛みはないとはいうので今日はあとで、迷惑かけない程度に・泥酔しない程度に見えない傷をアルコール消毒する予定です。