納豆の記憶

卵嫌いは何度も書いています。食おうという努力はしていて(+させられていて)、小学生のある時期は1年程毎朝コーンフレークにゆで卵でした。不思議と給食にはゆで卵も生卵も出ませんでしたが、小学生の頃に泊まりに行った先で生卵を出されたことがあり、子供ながらもそのときはプライドがあって嫌いとは言えませんから泣きたくなるのを必死にこらえて、ごはんにかけて食べたこともあります(味噌汁で余韻を容赦なく拭い去った)。四十数年生きていて卵かけご飯を食べたのはそれが最初で最後です。別のときに好き嫌いをはっきり言う同級生をみて愕然として、おのれが我慢してるのに他人が我慢しないのは案外腹立つものだな、ということを記憶していますってそんなはなしをしたいわけではなくて。

私は「美味しいというのは思い込みが何割かある、はず」と思ってて、どちからというとぬるぬるとしたものは苦手で、その苦手意識ゆえ生卵もふつうの納豆も美味しいとも思えず、いまに至ります。生卵と納豆をご飯の上にかけて食べる、という食べ方の存在を知ったときは愕然として、最初で最後の卵かけご飯が納豆抜きで良かったと本気で思っています。幸いなことに強要されたことはありません。死んだ両親は卵に比べて納豆に関しては今から思えば不思議と私を甘やかしていて、毎日納豆を喰え、とは言いませんでした。いまでも納豆はまず食べませんし、まず買いません。健康に良いといわれても、不健康上等!だと思っています。

とはいうものの。

草津温泉に行ったときに朝に納豆が出ました。最初は同行者に押し付けようと目論んでいました。納豆を手に彼氏に小さく声をかけようとしたタイミングで、配膳でまわってきた女将さんが私が手にした納豆に視線を向けてひとこと「あら、納豆も苦手?」と。前夜、「え?すき焼きに生卵を使わないの?」とまで言われてて、ひと呼吸おいて、追い討ちをかけるように「納豆、健康に良いのに」。そういわれて行きがかり上押し付けるわけにもいかなくなったので・不健康上等!とも言えなくて、久しぶりに納豆を食べてます。群馬の納豆が美味しいかどうかはぜひとも草津温泉群馬県下で食べて確認していただくとして、私の納豆の苦手意識を覆すほどではなかったのですけどちゃんと納豆の味がしました。

はてな今週のお題が「納豆」です。

納豆が得意ではない私が以前喰えていたものがあります。日本橋室町に「にんべん」というお店があるのですけど、そこでフリーズドライの「いろまめほへと」という納豆が一時期あったのです。ほぼ豆菓子ですが納豆で、私は納豆のぬるぬるがNGだったのだなと改めて自覚した商品です。ただ残念なことにいまは終売になってしまっています。似たような商品ないかなーと思いつつ、そんなうまい話はなかなかないです。