富士吉田散策

富士急の下吉田の駅から5分くらい歩くと新倉浅間神社というのがあり

そのわきの階段を398段ほど登ると新倉浅間公園というのがあります。

五重塔(忠霊塔)と富士山がセットで眺められる場所なのですが、訪問したときは富士山は雲のあいまから頂上が目視で確認できる程度でした。写すとわけわかめです。多摩に住んでいる人間からすると富士山というのは(通勤途上から確認できるので)まったく珍しくはないのですが、398段登ってからほとんど見えないと若干悔しいものがあります。下吉田に来るまではちらっちらっと見えていたのでなおのこと。人間っていうと主語が大きすぎますが階段を上って若干の苦労を払ってしまうとその見返りが欲しくなるもので・諦めが悪くなるもので、風は吹いてて雲が移動すればなんとかなるかもしれない、見えるまでしばらく待とうかという気になり、

当然、風が吹けばそれに乗って別の雲もやってくるということを悟って完全に諦めの境地に達するまで(「日頃の行いの結果だ」とか因果関係が怪しいことについて軽くなすりつけ合いながら)たぶん40分以上だらだらと過ごしていました。前日に山梨県内で用があって遅くなるのが確実だったので日帰りにせず一泊することにしてついでに彼氏を誘って合流したのはいいのだけど、新型肺炎の警戒モードに入ってお目当ての水族館が休館の上、博物館や美術館は軒並み休館で行くところもなく、押さえていた帰りの特急の発車時間までかなりあったのでそんなこともできたのですが。

警戒モードって書きましたが富士急行の普通電車は必要に応じてドア横のボタンを乗客が押せば扉が開閉するシステムなのですが、

感染予防のために換気目的で全駅ですべての扉を自動で開けていて、そのたびにトーマスの顔が真っ二つに割れてはくっつく様子をつい、じっと眺めちまいました。ほんとの「きかんしゃトーマス」の顔が割れるのかどうかは知りませんけど。

上吉田という富士山に近い麓にある、鬱蒼とした木立の中にある北口本宮富士浅間神社へ行きました。祀ってるのは富士山の神である此花開耶姫命で気性が荒くやきもち焼きで、自分よりキレイで美しく背が高かった八ヶ岳の神様が気に食わなくてぼっこぼこにしてしまい、その結果富士山が日本一になった美麗といわれるようになった、というのを子供のころから聞かされて育ったので怖い神様という意識があり、バカにされそうなことを書くとちょっと神妙にというかビビりながら参拝していますって、てめえのビビりのことはともかく。信仰の場所なので写していませんが、立派な社殿が参道の奥にあります。

参道は境内を横に貫く水路を越すのですがその水路に小銭がちらほら。彼氏はローマの休日説を口にしたのですが、おれがロマンがないだけかもしれぬものの戻ってくるにしても大切な人と一緒にいるにしても、目の前の神様にお願いすれば済むような気がしないでもなかったり。

まだ時間があったので河口湖へ。人が少ないのでなんだか鄙びた長閑な湖畔になっていました。目的地の水族館が閉鎖だったのは残念なのですが、無計画に歩いた新倉浅間公園も北口本宮も河口湖もそれほど悪くないなーと思え、機会が無かったら行かなかった場所だと思うと、零れ幸いの日曜だったのかもしれません。

電車の利点はお酒が飲めることです。ワインを買って、帰京しました。