チームワークに関するいくらかめんどくさいこと

以前仕えたことのある上司は京都の言葉で「それ、ええようにやっておいて」と指示することがありました。「ええようにやっておいて」といわれても困るのですがなんとなく「こうしたらいいのかな」というのを空気を察して・考えて提示すると、だいたいそれが「ええようにやっておいて」の正解であったことが多かったです。もちろん失敗したときもあります。その場合はなにがどうダメかをきちんと教えてもらっています。異動でその上司の許から離れるのが決まり、報告したときには「あー、残念やな、あんたほんとに楽やったんだけどなあ」と人前で軽く嘆かれてここは軽く笑いをとるところかと察して「え、楽してはったんすか Σ(゚ロ゚;)」と怪しげな京都弁で驚いてボケてみせる程度には無骨な東男は進化していました。いまから思えば、空気を察する、というのは複数の人間で動くときには必須だと思ってるのですが、それをこの京都出身の上司に叩き込まれたところがあります。
人は工業製品ではありませんから均質ではありません。ゆえに複数の人が一緒に仕事をする場合にはどうしても問題が起きることがあります。あたりまえのこととして粗くわければ他人の動きにあわせることがうまい人とそうではない人、マイペースな人がいます。人ってなににイラつくかっていったら、仕事などで他人の速さと自分の速さってのがあわないときにイラつき、でもってストレスをためます。他人の速さにあわせることが誰でもできればいいのですが、そんな器用な人は多くはありません。複数の人間が協同して動くチームワークが必要な場合に、誰かが足を引っ張るような感じになると、ほかの人間がイラつき、そこでトラブルがおきやすくなります。ときとして経験不足の人が震源地のことが多いです。勤務先で以前、日頃から物言いがいくらかきっついのが新人になにかひとこと云ってしまい新人が涙目になってて、空気を察して相談をうけたことがあって、原因がなにか(そのときは経験不足から足を引っ張てたことを本人が自覚していた)、どうしたいのか、どうしたらいいと思うか等を誘導し、きつい物言いをした人に一緒に頭を下げに・事態修復にいったことがあります。自分のことではないので私が頭を下げる必要なんかないのですが、状況を放置すれば不貞腐れるに決まってます。限られた状況で多人数で動く場合は誰かが不貞腐れて任務を放棄する・意図的に能力をさげると、そのぶん誰かがカバーしなきゃならなくなって厄介で、できればそれは避けたいのです。きつい物言いをした人の話を聞くとまったく理解できない話でもなかったのですが、私も一緒に頭をさげることで相手に状況を察して事態を打開したいことは理解してもらえ、なんとか立て直すことができました。到達点が明確で、そこに到達したいと考えていたので私は頭下げるくらいは平気でできます(但し年相応の威厳はなくなる)。
以前テレビで、チームワークが必要な調理場を預かるたいめいけんのシェフが
「俺らの商売、不貞腐れたりしてもしょうがない」
って述べててホントそうだよなーと画面の前でつぶやいたことがあります。職種は違えどもシェフに深く同意するのですが、でも普遍性があるかどうかはわかりません。普遍性があるかどうかわからないれものの、はてな今週のお題がチームワークなんすけど、大事なのは理屈ではなく、空気を察して積極的にフォローして究極的には不貞腐れる人を出さないようにする、なのではないかといまのところ思っています。書けば簡単で、実行するのは難しくて、いくらかめんどくさい作業ではあるのですが。