Banana kyu

フィリピンの料理にアドボというのがあります。ニンニクとタマネギとブラックペッパ―を振った鶏肉を油で炒め、そこにローリエと酢と水を加えて煮込み、さらに砂糖と醤油と酒を加えて煮込む料理で(ほんとはそれに茹で卵を添えるのが本式ですが茹で卵を喰うくらいなら死んだほうがマシなので茹で卵は無視して別に茹でたブロッコリかトマトを最後に皿の端に添えて)、わりとやります。フィリピンの人が居る米軍基地の開放日に知った料理で、フィリピンに縁はありませんがフィリピン料理にいくらかの興味があります。

上野広小路へ映画を観に行く途中、時間があったので上野公園でやっていたフィリピンエクスポというイベントに寄りました。暑かったのでハロハロ(というかき氷ベースの氷菓)かサンミゲルビールを探すつもりで出店を眺めていたのですが、そこで揚げ物の屋台にであいました。暑いのにタガログ語をしゃべる人が並んでいたのが妙にひっかかり、同行者曰く、並んでいるところは美味しいはず、との理由で並んでます。

並びながらタガログ語がわからないのでなにを揚げているのか英語で訊ねると「バナナ」との答え。バナナキュー(Banana kyu)というらしく、いったん素揚げしたバナナに砂糖をまぶし、再度揚げて(このとき砂糖がカラメルになる)、揚げたてを串に刺して渡されました。訊ねた礼儀として買いはしたものの、口をつけるまではバナナかあ…少しだけ失敗したかなあ…と口には出さなかったものの思っていました。でも口にすると想像と違い、バナナというよりホクホクのサトイモに食感が近く、カラメル化した砂糖も相まってけっこうイケてました。ただどうも日本のバナナの種類が違うっぽい感じが拭えず、真似できそうにないのが残念なのですが。

再現はできぬものの見知らぬ料理をみつけてそれが美味しいと、ちょっと嬉しいってことないですかね?ないかもですが。