○○があった

だいたいしちめんどくさい用があってある役所の出先機関を訪れていた時期があります。そのしちめんどくさい業務のケリをつけて私はその担務から外れ、その頃のカウンターパートというか交渉相手だった人はそれぞれ昇格してたり退職してたり出向元にもどっているのですけど、偶然、その出先機関のそばを通ったら機能は別の場所に移転して建物が取り壊されてる最中でした。たしかに老朽化していた建物だったんすけど。喪失感がちょっとだけありました。
社会人なりたての頃に周囲の年次が上の人たちが・死んだ両親が以前、「あそこには○○があった」という記憶をなんらかの拍子に述べていたことがあって、既に役に立たない情報なのでそれを聞き流していたのですが、いまとなってはなんとなく「あそこに○○があった」と述べたくなる気持ちが理解できます。おそらくその街で苦労なり消しにくい記憶なりがあって、その記憶がすでにない建物のその残像と喪失感とともに突発的に吹き出してるんだろうな、と。
たぶんなんらかの拍子に私も同じことをしちまうかもしれなかったり。