去年の夏の終わりに「新幹線と在来線の車両ではどちらが硬いか」という質問を貰って、新幹線はアルミ合金だけど在来線は軽量ステンレスなので、新幹線のほうがやわだと思うと返答したところ、「ゴジラを倒せない?」と訊かれ、運転台のあるやつ以外は全部電動車なので重くて285キロで16両でつっこんだらなんとかなるかもだけど通電してないと新幹線は動けなくなるから、ディーゼル機関車をありったけつなげて時速100キロ突っ込んだほうが、とアドバイスしたことがあります。おそらく人生の中で一番役に立たない馬鹿げた質問に対する答えです。そこまで云っておきながら「シン・ゴジラ」は観ていないので、新幹線でゴジラが倒せたかについては知らなかったりします。そもそも映画やアニメやドラマを世の中の人ほど観ていなかったりします。なのにはてなの今週のお題が夏の映画・アニメ・ドラマなんすが、それに沿って書こうというのはムリがあるかも。
夏の映画ではないのかもしれないのですが、キーワードに沿っていちばん印象に残ってるのは「カリオストロの城」です。それも自発的なものではなくて10代の頃、誘われて夏の終わりに遊びに行った相手の部屋のテレビで視聴した記憶があります。銭形警部の所属は記憶は定かではないものの最後まで飽きることなく視聴して「すごいもの観たぞ」感がありました。シンプルに書けば本人の意思を問わずに婚姻をせまり独裁を目指すカリオストロ伯爵に反発し、幽閉されている姫を協力しあってなんとか助け出そうとする義侠心に、古典的な勧善懲悪であってもやはりしびれるのです。もし同じ能力があって・同じ状況に直面したら、かくありたいと思わせるところがあります。さらに最後に銭形警部がルパンの泥棒としての顔を立てるように「やつは大事なものを盗んでゆきました」とやるのですからお手上げです。付随して銭形警部は証拠を出して会議で出動命令を得ようとするのですが国際問題化を恐れて消極的な官僚体制に失望したり(38年前から官僚体制の硬直化ってあったのかもっすね)、偽札工場にテレビを乗り込ませて非協力的な官僚の鼻を明かしたりとか、本筋とはちょっと離れたところにも痛快さがあったりします。もちろんこの映画で人生が変わった!なんてことはないのですが、カリオストロの城を観てからこっち、スパゲティを自作するときに作中に出てきたミートボールのスパゲティを作ったことが何回かあります。ほんのちょっと影響を受けた映画ではあったり。