寝言

わたしの上を通過する人は一緒に住んでいるわけではなくて、時間が合えばめしを作って食事したり寝たりします。寝るというといろんな意味にとれますが単純に狭いベッドの中で二人して寝ることも含みます。寝てるときというのはたいていおのれがどういう状況かというのはわかりません。うそかほんとかわからないものの不思議がられるのは姿勢正しくというかそのままの姿勢でわりと熟睡しちまうらしかったり。いまのところは幸いにして寝てる間に蹴っ飛ばしたり、ということはないようです。歯ぎしりも寝言もいびきもないものの、わりと呆れられるのは寝床に入ると1分もたたないうちに寝てしまうことがあることで、もうちょっと話したかったけど寝ちまったからあきらめた、ということを何度か言われたことがあります。そういう時は起こせばいいじゃない、といちおういうのですが起こされた記憶はありません。優しさなのか、諦めなのかどっちかはわかりません。
上を通過する人はたまに寝言を寝てるときに言います。それでたまに起きちまうことがあります。大きくはないものの企業経営者であるのでそれなりにストレスがあるはずで(同い年だけど私より白髪が生えはじめるのはけっこうはやかった)、問題を問わず語りできかされることもあります。それが原因かそうでないかなんてのもわかりません。起こしたほうがいいのか、そうでないほうがいいのか、どっちがベターかわからないものの寝てるのを起こすのもどうかなあ、と思ってそのままにしています。おれ会社辞めて家族のように支えてあげたほうがいいのかなあ、などと考えちまうこともありますが、それをしてないのでちょっとした罪悪感があります。寝言を言ってるのは寝具が完全にかかってないような状況で、おそらく体が冷えてて夢見が悪いのかもしれないと推測して、夢のなかまでコントロールできないとわかりつつ、身体をくっつけるか寝具をかけなおすくらいしかできなかったり。