親の命日を訊かれた記憶はないもののなんとなく覚えているようで、その時期になって上を通過する人から花が届いたことがあります。すぐさま電話して礼を述べたあと、何かしら返礼品を、と思案して、勤務先のそばのデパートで傘を買って贈りました。ほんとはそういう返礼品は消えもののほうが良い、と発送後に知り、しまった!と後悔してもあとの祭り、おそるおそる非礼を詫びました。
そういう傘でありながら、雨の日に逢うときに彼はしょっちゅう持ってきていました。そのあとも別の機会に傘を贈ったことがあり、律儀にやはり贈った傘をいまでも持ってくることがあるのです。雨のときに相手のマンションに遊びに行くと無造作に傘がおいてあり、日常的に使ってるのがわかるのですけど、それをみるとなんとなく「嬉しい」という感情が浮かびます。でもその「嬉しい」という感情を言葉にすることがなんとなく恥ずかしくてできないまま今に至ります。
はてなのお題が「雨の日グッズ」なのですが、傘をみて嬉しいと思っちまう・それを恥ずかしがる40過ぎのおっさんの、ちょっと気色悪い話になっちまいました。