ボクサーブリーフは年がら年中それほど高いものを着用してるわけではありません。でもってきちんとたたんで安全なところに置いておかなかったほうがが悪いのですが、飛沫物によってそれを汚してしまい、捨てちまえと思ってそのまま捨てて、ホテルをでたことがあります。そんなに遠くないところにドンキがありますからそこで新しいものを買うつもりでした。ホテルを出てドンキへ行く道すがら、ひとこと耳もとでデニムを若干さわりながら「そういやノーパンなんだよな」とささやかれました。素肌にデニム生地というのはただでさえ「ちょっとへん」であることは自覚できるのですが、その一言・その動作は「ちょっとへん」をより意識させるには充分でした。もちろんデニム生地の下に隠さなくちゃいけないものは隠れていますから彼と私以外には誰にもバレてはいません。バラされたわけではありません。ずっと黙ってれば、やり過ごせます。そんなふうに考えてると、不思議なもので熱を帯びてきました。再度触られたらばれそうなので若干距離を置こうとしたのですが無理でした。隠さなくちゃ、という一方で、あらわになること・理解してもらうことをどこか望んでいるところがまったくなかったといったらうそになります。「隠すべき」とか考えれば考えるほどその逆を、あらわにして楽になりたい、ってのをどこか求めてしまうことはないですかねって、そんなことはないか。
私はそういったおのれの淫乱さを含めて性のことは死ぬまでごく一部の人以外にはずっと隠すつもりでいるのですが、楽になりたい、ってのもちょっとはあったりします。あったりしますがいやいやそれはいまは得策ではない、と考えてやはり隠しちまいます。