カチンときた時の対処法

テレビ東京系で、ローカル路線バス乗継の旅というのがあります。誠実で責任感がある太川陽介さんと粘り腰でマイペースな蛭子能収さんが女性ゲストを迎えて3泊4日で路線バスを乗り継いでゴールまで行けるかという趣旨で、不定期で毎年3回くらい放送されます。路線バスといってもたいていは県内をエリアとしてる会社が多く・県境は廃線になってることが多く、乗り継ぎが巧くいくときは巧くいくのですが、ダメなときはぜんぜんダメな、予定調和のないドキュメント的な不思議な番組です。他人の旅行でありながら毎回ハラハラしながら観ちまうのですが、今回もハラハラしながらみちまいました(録画でなんすけど)。
今回は御殿場から直江津で、乗継のため寄った河口湖と白樺湖野尻湖などをのぞけばいつもと同じく著名な観光地へはほとんど寄っていません。今回のゲストが百戦錬磨の橋田ファミリーの女優さんでずっとポジティブで明るく、さらに隙あらばうたた寝しようとする蛭子さんを寝させまいと、夢は何色でみますか?とかひたすら蛭子さんに話を振っていてその攻防戦が旅路に華を(?)添えてました。
でもって山梨交通のバスのなかであったか

野村真美「蛭子さん、座右の銘ってあります?」
蛭子能収「この世で一番大切なのは、自由と金」
野村「愛は?」
蛭子「愛は(考えながら)はははは、すぐ壊れちゃうからね」
野村「人の心はお金で買えないですよ」
蛭子「(考えながら)その人を好きになったからといってお金をあげるから好きになってくれってそういうふうにはならないからね」
テレビ東京ローカル路線バス乗り継ぎの旅・第18弾御殿場→直江津

っていうやりとりがあって、常に脱力した雰囲気しか見せない蛭子さんの見えない根っこの部分を浮き上がらせててちょっと興味深かったです。すぐ壊れちゃうってのはわからないでもないし(壊れないように維持しようと臆病になる)、また「金をあげるから好きになって」なんて考えないわけで。ただこのすぐあと

太川「お金を持ってるから好きになるっていうことはある」
蛭子・野村「あるある」
テレビ東京ローカル路線バス乗り継ぎの旅・第18弾御殿場→直江津

ってのがあって「そんなものなのかな」ってちょっと考えてしまったり。単純な話ではずかしながら「○○だから」というような属性で好きになったってのは経験がないのです。お金に苦労はしていてもなんとかやり過ごせたゆえの、甘ちゃんな考えかもしれないのですけど。
過去の再放送を含めてこの路線バスのシリーズはある程度視聴してるのですが、その中ですごいよなあ、見習いたいなあ、と思えるのは気配りもできる太川さんの姿であったりします。

今回はそれほどではなかったものの、蛭子さんは空気を読まずにわりと思ったことを口にします。ゆえに太川さんがカチンとくることがあるのですが、自著の中でその「カチンときたとき」の対処法に触れていました。特に秘策はなくて唯一の手段は「時間をかけること」とあってやはりそれしかないのかも。