すこし前にNHKでやっていた「のぼうの城」を視聴しました。
いまの行田にある忍城を秀吉配下の石田三成が大軍を率いて攻めるんだけど手こずった歴史を基にしたものです。細かいお話は小説を読んでいただくかDVDを観ていただくこととして、でくのぼう的な意味合いを持つ主人公たる「のぼうさま」ありきのお話で、「のぼうさま」がそういうんならしょうがないなー的な展開があって若干苦しいのですが、(それさえ目をつぶれば)史実を知ってても最後までハラハラしながら観ちまいました。「のぼうさま」の野村萬斎さんと忍城を守る武将役の山口智充さん(この二人で義経と弁慶やってくんないかな、と思った)が熱演です。のぼうさまの田楽踊りのシーンがあるのですが別に最初から最後まで観てみたいってくらいのもので、踊りであれだけの説得力があるのは萬斎さんならではかなあ、と思いました。
作中、石田側は高圧的態度でのぼうさまに降伏を奨めるのですがのぼうさまは「いやなものはいやじゃ」と突っぱねます。周囲は翻意させようとするのですが、最後はのぼうさまを中心にまとまってしまいます。いやだという断定に基づく結論があるとそれを覆すのは損得とは別次元なので難しいです。でもって身内が少数で相手が大勢でも、卑にはならず、計算は関係なく、生理的にいやなものはいやと貫き通します。ああここらへんよおおおくわかるなああああ、などと坂東の人間は考えちまったのですが。
作品の最後に舞台となった行田の現在の映像が出てきます。作中に登場した史跡が残っているのがわかるつくりになってて、フィクションに載せられるのは浅薄なきもしますがそのうち訪問してみるつもりです。