人って必要性かメリットが無いと、あんまり動きません。整理整頓とかも同じことです。トヨタ生協というのが豊田にあるのですが、ここの場合は入荷したものや備品等を必ず定位置に置くようにし、在庫や備品がどこにあるかをわかるようにした、ということをやりました。ものの整理整頓というのはけっこう重要で探す時間も減り、無駄な在庫を減らすことができた、ってなことがありました。そこにメリットがあります。ただしデメリットもあります。組織であれば周囲の協力が必要です。ものを減らす、ってのは実はなんでもないようなことのように思えて、周囲の協力が無いとなかなかできません。
個人のレベルで話を落とし込むと、喪服の黒ネクタイを無くしてから衣類関係はきちんと整理するようになったのだけど、メリットがあるかと云ったらあまりないかもしれないっす。探す時間が短縮できる、ということくらいで。でもってデメリットも微妙にあって整理整頓には時間がちょっとかかることで、忙しいときにはその整理整頓はいくから時間が惜しいです。またちょっとおこられそうなことをいうと極端な話、散らかってる状態はどこになにがあるかわからないけど頻度の高いもののみそばにある状態でもありますから理想のひとつでもあって、その均衡を崩して規則どうりになおす必要性があるのかとか考えちまい、決心がつくのが大変だからです。


整理整頓で不要っぽく思えるものが出てきます。でも二分できます。「いまはつかわないもの」と「つかえないもの」というのが出てきます。たとえるなら前者は前は必要だったけど今は必要ない本類で、後者は穴の開いた靴下です。で、どちらも捨てようと思えば捨てるのは簡単ですが、つかわないものに問題点があって、必要なものを必要なときだけもつ、というのは本類のようなものは案外大変です。「いまはつかわないもの」をもつメリットはどこにあるのか、といわれると厳しいのですが、メリットが無くても捨てずにいます。特に隣接するけど専門外の本はメモを含め経験則上いまは必要なくても後々かなり有効になることがあったりするので捨てられません。本棚がわりにしていたカラーボックスの棚がひとつ壊れたので処分を進めてますが、けっこう迷います。


断捨離ってのがもてはやされてて、本屋に行くと物を捨てられないひとはうつになりやすい、みたいな本が平気で売られたりしています。うつってのがそもそもよくわかってませんが、ものを捨てるというのはけっこう大変です。組織や法人であれば在庫というのは減らしたほうが冗費節約になりますから、断捨離ってのは必要なのです。でも個人レベルではどうなんだろ、とおもうところがあったりします。
本に限らず物を捨てるというのはおそらくそれに未練が無い、ということで、未練が無い分野について捨てるのは決して悪いことではないはずです。もってるメリットはないから。完全に吸い尽くした・味わい尽くした・やりつくしたとかなら別ですが、ただ未練がある、ということに関してとっておくことは人間的なんじゃないのかな、とは思います。だって、ひとは完全無欠じゃないし。でも世の中の風潮として、物を捨てるメリットが「ときめく」とか「うつにならない」というのがあったりするのはなんだか不思議だったり。