原模型博物館へ

来春東横・みなとみらい線副都心線と相互乗入をするのですが、春を待たずして車両は副都心線のものが走ってます。確実に便利になるのですけどなんとなく複雑怪奇になる印象はあったりします。

で、横浜・新高島へ。

横浜へ行った目的のひとつは新高島の三井ビルの下層部にある原模型博物館という鉄道模型中心の展示施設です。原さんという家具文具の会社の専務さんが戦中から平成に到るまで製作・収集した模型や切符・鉄道関連備品が展示されてます。主に模型ですが博物館にあるのが2500両(撮影不可なので写真はありません)。原さん自身が所有してるのは6000両とのこと。
で、正直なところ趣味の作品展示というより鉄道の歴史の一部分を切り取った施設です。たとえばSLはもちろん電気機関車はもちろんのこと、(戦前にいまの近鉄に吸収合併された桜井市近辺を走っていた初瀬鉄道という会社の)の蒸気動車や戦前の阪神電車の木造車、阪神851形電車という戦前の阪神間モダニズム(建築を中心に阪神間で流行した洋風モダンの様式といえばいいのかな)の影響を受けたとされる鋼製の電車の模型、戦後製作のアメリカの影響を受けた大阪市交通局路面電車などがあるのですが、眺めてるだけで日本の鉄道車両の発達史になってる側面があります。解説もあって木製から鋼製にかわることにより、技巧というか職人に頼る車両製作から工業化した、というのは原さんの見解なんだろけど、あーそうかも、と目からうろこでした。でもって阪神851形(前面扉がちょっと変わってるシャレたデザインなのです)はおそらく現存していはずななのでそれがどういうものであったのかは写真を除けばおそらく原さんの模型でしかわからないはずで、現物をみて製作・記録しておいた原さんに感謝するしかありません。博物館形式で見学できるのもまたありがたかったりします。

現物ではないものの、おそらく鉄道博物館に匹敵する、鉄道に関する教育施設でもあります。簡単ではあるものの鉄道がどうやって動くのかの分類や基礎知識、電車においては集電装置の種類を説明してて模型をみていればどの種類の車両がどのようなパンタグラフを載せてるか判るようになってあります。もちろんそんな細かいところは関係なく、漫然と見ててもすげー、と思えます。特にジオラマ(風景に溶け込ませて模型を走らせてる)は圧巻です。私より年上の、おそらく鉄道少年であった・もしくは今でも鉄道少年を引きずってるけっこうまともそうな大人が数人真剣に見学していらっしゃいました。で、いくらかバイアスがかかってるかもですが、なんにも知らなくてふらふら行っても損はしません。むしろ鉄道を知ってる人間が行くと「えーもういっちゃうのー?やだー、もうちょっとだけこのままー」となってしまう場所で一緒にいかないほうが良いかもしれません(おそらく後日ひとりでもう一回いくかも)。いくまでわかりませんでしたけど。


東横・みなとみらい線は終点が中華街で、このあと中華街へめしを食いに行きました。