兵庫県に化学工場があってその工場が大損をこいたときに取引銀行に相談したら、それを知った取引銀行がその会社の株を発表前(つまり株価が暴落する前に)に全株うっぱらった、という事件が20年くらい前にありました。銀行はそういうことをしないだろう、という前提だったんすがそれが崩れ、さすがにまずいだろうということで、公表前に重要な事実を知り得る会社関係者が金融商品の取引をすることを制限するようになってます。いわゆるインサイダー取引の規制のきっかけです。銀行に限りませんで証券会社が絡むことがあります。最近だと証券会社がある増資に絡む情報を漏らし信託銀行が利益を得ました。さらに電力会社の増資に関しても海外の会社に情報を漏らしています。さすがに何件か続いてるので東京証券取引所が苦言を呈する状態になってます。今週もまた運送会社に絡む情報漏れがあって、警察が動いてます。むかしアダム・スミスについて経済学の概論かなにかで、倫理観のある人間を前提にして多くの人の意図と思惑が集積すると結果的に経済は正しい方向へ向かうと習った記憶がありその調整を「神の見えざる手」と称してたはずなんすが、こうなってくると神様ってのはもういないんだろうな、ってなことを電車の中で日経よみながらぼんやり考えちまいました。眠いとくだらないことを考えちまいます。起きてることはシャレにはならないんすけど。
ただコンプライアンスといった法令遵守とか企業統治システムの問題じゃなくて「やっちゃいけないことをしてはいけない」っていうレベルからなにかが崩れてる気がしてならんかったりするんすが、うーん。