すこし前の話なんすけども。
それまで機械というのは使ったことがなくて自分でも買ったことがないし、そういうホテルにあるものもなんとなく拒否してました。ただそのときはいくらか酔ってて、あー機械くらいならいいか、と思ったのです。もうひとつ、へんな習性があって、実験のようなことが嫌いではなくて、魔が差したというか試しにやってもいいかな、と思ったのです。いいよ、と答えたら包装紙を破り、箱から出して乾電池を入れました。それを相手の背中に覆いかぶさりながら見学してたのですが、その人が買ってきたらしいものは指輪状のもので、指輪をそこに差し込むことを冊子ました。不思議なものでそれをみただけでなんとなくどういうことになるか予想がついて反応しちまい、さりげなく離れて下半身をシーツの下に隠しました。かたくなってるそこがこちらはたまらなく恥ずかしかったんすがその反応を見て、嬉しそうに「いまさらなんで隠すの」と近寄ってきてシーツをはいできました。装着完了まで自分も相手も見たのですが、超常現象など信じないけど相手がそこを触ろうとすると触る前に手から熱が出ているような錯覚を感じてました。目というか見るという行為はたまに予期せぬ変化を引き起こすのじゃないのかな、と思うのです。
スイッチを入れられてから判ったのですが、こういうものの怖さは振動しちまうと、人の動きと違って加減がありません。ある一定の周期をもって振動し、それが止まり、さらに振動し、というのは続くと耐えるのが難しくなってきます。しばらくして「外して」ってねだったんすが、外した直後に指で弾かれました。
で、そのときの相手の目というのはいつもよりこどもっぽいというか無邪気というかちょっといつもと違った気がしました。やってることは不真面目なんだけど真面目というか真剣そのもので、しかし子供より子供っぽいっす。怒ろうと思ったのだけど、その気をなくしたんすが。