上野検車区

上野には山があります。山って意識しにくいのですが、

いまちょうど再開発がすすんでまして、いままで見えなかった、山を削ったあとが丸見えです。これみると、ああ山なんだなあ、っていまさらながら実感できます。日頃観察できないものを見るということにどれだけの意味があるかといったらあんまりなくて、たぶん観れないものを見るということに意味を見出そうという脳内にしか、意味がないかもしれないっす。たぶん地形に興味がないかぎり上野の山の画像は全然意味がないかもしれません。目で見たもののうち意味のありそうなものを無意識に探して、なんとなく脳内でなにかを構築したくなるんじゃないか、と思ってるんすが、上野の地形を理解してなんの役に立つの、っていうとぐうの音もでないんすけども。
イチョウのあるあたりには西郷さんがいます。前にここにあった建物(上野百貨店)の中には食堂があって、さつまいも天とかさつま揚げとか豚の角煮が入ってた西郷丼という有名なメニューがありましたって、そういう感傷に浸りたいわけではなくて、

上野に寄り道したのはブラタモリを観た影響です。銀座線の検車区がありまして、その入り口がこんなふうに踏み切りになってます。たぶん東京だと地下鉄の踏切ってここにしかないのではないかと。だからなんだよ、っていわれるときついのですが、あんまり観察したことがなかったので、ちょっと来てみたかったんすが。
踏切から上野駅方向を見るとこんな眺め。銀座線は上空に架線がありません。線路右に線路に並行して金属が伸びてますが、そこに電流が流れててそこから集電します。第三軌条集電方式とかいわれてますが、東京だと銀座線と丸ノ内線はこの方式です。名古屋の東山線もそうかもしれないっす。

電線が上空に無く下にあるので、間違って入って感電したら危険なので、ここの踏切は線路が普段は封鎖されてます。

先にあるのが車庫。銀座線は上野のほかに渋谷にも留め置きできる車庫があります。で、銀座線はもともと二つの民間会社が建設してました。「東京高速鉄道」と「東京地下鉄道」で、上野検車区は地下鉄道が作ったもの。結果的に高速鉄道側が地下鉄道を乗っ取り、統合します。

東京地下鉄道時代の痕跡といえば、あと稲荷町駅かなあ。上野⇔浅草の開業当時のもののはず。たぶん昭和のはじめの意匠なんじゃないかと踏んでるんすけど。

架線が天井にありませんから天井のひくい、雑然とした、ちょっと薄暗い銀座線の上野駅。ほんとこのあたりは子供のころから全然変わってません。
銀座線に乗って

イチョウがちょうどいい具合の浅草へ。

来週は納め観音・羽子板市っす。お坊さんは仲見世を走ってませんでしたが師走の足音がきこえてくるような。
ブラタモリの中でほとんど触れられてなかったのですが

たぶんここでロケをしてました。駒形堂といい、浅草寺から離れてるんすけど浅草寺のお堂のひとつで、観音様上陸の地です。上陸の地というと変ですが、漁をしてるときに観音様を引き上げたのが浅草寺のはじめだったりするので、けっこう重要なところです。で、江戸時代はここから浅草寺にかけて魚類殺生禁断の地になりました。もちろんいまは違います。

駒形のあたりからの東京スカイツリー方向。ここから眺めるとアサヒのオブジェがますます炎に見えなくなるんすが。