イケメン

よくよく考えると不思議な名前というか、これはいったいなんだろう、と最近一年くらいテレビをつけるたびに思ったのが「イケメン」という名前で、テレビなどでよく多用されますけど、美男とかイケメンってのは実は蔑称なんじゃないか、と思ってるのです。なんのことはない、仮にイケメンで売り出した人がそこそこ演技が巧かったりすると「実力派」とかになる。海老蔵丈は踊りが巧い(ただし女形をやったときの目つきは悪い)と思ってるのですが、イケメンでもイケメンとは言われない。ある程度ほかにトピックがあれば「イケメン」というのは外れる。そうなるとああイケメンってのはたぶんなんにも実力のない顔だけの人、ということなのかなあ、と30代のイケメンとはいわれない人間は安堵するんすが(ここらへん若干ひがみはある)。


そんなことを考えたきっかけが「美人すぎる市議」という国政へ転進するかもしれなかった八戸の市議に関するニュースで、市議時代の業績に触れずに美人であることを強調してずいぶんと失礼な話だなあと思ったのです。たぶん人は語りやすいところに目が行くんすけど、テレビではイケメンとか美女って言葉が流れててもてはやされてて不思議で、たぶん語りやすいことがテレビではもてはやされるんだろうなあ、とは思うのですが。でもって、語りやすいところは語りやすくてどんどん語るけど、それ以外がおざなりになるという意味ではテレビというのはどこか万能のメディアじゃないんだろうな、ってここ一年くらいでやっと気がついたんすけども。

ただそれでもテレビみながらひょっとしてテレビでちやほやされるくらいのイケメンな顔立ちだったらおれ、人生変わってたろうか、なんて考えちまうのですが、イケメンだからっていう理由で好きな人が振り向いてくれるわけでもないんすよね。