幻めがね

記憶、で思い出したのですが

記憶と言うてもな、映る筈もない遠すぎるものを映しもすれば、それを近いもののように見せもすれば、幻の眼鏡のようなものさかいな
三島由紀夫豊饒の海天人五衰」より

記憶って、なんだかそうだよなー、とおもうのです。勤務先のそばの大丸の旧建物はほとんど取り壊されて現存しないのですけど「ほっぺたうん」という名前だった地下食品売り場をなにかの拍子に鮮明に思い出せます。
人の声なんかもそうで、電話口でどうでもいいような話をしてるといま目の前にいない、ケイタイを手にしてる相手の姿かたちがでてくることがあるんすよ。


ほんとじゃない・ほんとはそこにないのですがこれが記憶ってものの作用だとすると、記憶ってのほんと不思議っす。