黙るということ

悲しいかな30年以上生きてると、墓場まで持っていったほうがいいかな、ってなものが出てきます。仕事に関することなどは、そうと決めたらちゃんと守ります。別にそれを公表してもいいんじゃね、って思うことであっても、知ってしまった以上はかん口令が敷かれてるものは黙ってることがあったりします。
実は「黙ってる」というのはしんどいことで、黙ってる人間のいちばんの望みはそのしんどさをなくすことです。なもんですから、黙ってないで、吐いて楽になりなさい、なんてのが刑事ドラマの取調べにでてきたりします。
黙ってたほうがいいことは、えてしてそれがやはりおおっぴらになると困ることだからです。もしくは公表するとあんまり良くない事態が訪れることが容易だからです。組織として決めたことは本気で隠さなきゃいけないんすよ。でも現実にはべらべら吐いちまう人がいる(それが黙秘権や守秘義務に密接にかかわる職種であっても)。てめーら給料貰って黙ってるのも仕事じゃねーのかよ、事実の解明は重要だけどプロだろ黙秘貫けよ根性ねーなー、なんて法学部あほう学部出身者は思っちまうのですが。


もっとも、人のこといえるかっていったら怪しい部分もあります。給料貰ってない分野で、ああ、この人なら言っても大丈夫かな、ってな場合には語ることがあったりします。そこらへん根性があるか、っていたら怪しいです。
ちなみにベッドの中ではかなり根性がありません。ここ嫌いじゃないよね、っていわれてもなかなか答えませんが、そういう場面で完全黙秘を貫けたことは残念ながら一度もありません。