湯島男坂

○旧岩崎邸
本郷と上野の間にあるのが、旧岩崎邸。岩崎弥太郎の子・岩崎久弥が明治26年に建てた木造の洋館です。いまは岩崎家の手を離れてて東京都が管理しています。
設計は東京だとニコライ堂を設計してるジョサイア・コンドルという英国人。

悲しいかな、内部は撮影禁止なので撮影してませんが、ここは建築に興味がなくとも一見の価値があると思います。洋館といいつつも内部は和洋折衷のつくりになってます。
たとえば二階の内装の一部に金唐紙というのを使ってます。丈夫な和紙に金箔や銀箔、錫箔などを押して版木に当てて凹凸をつけて彩色をほどこした日本独特のやつなんすがその皮にも見える金唐紙という壁紙をふんだんに使った部屋があります。センスがあるか・上品かっていうと必ずしもそうとはいえない壁紙ですが、すごく不思議な・なんともいえない雰囲気を醸し出してます。洋ともつかぬ和ともつかぬ、過剰な空間です。和洋折衷という意味が目で見て理解できる建物です。

洋館を南から見たらこんな感じ。
えらい細かいこというと、ベランダの柱の様式が一階がローマで二階がギリシア、っていう、なんでそんなことをしてるの?っていう建物です(そのベランダにはイスラム風なタイルが敷き詰められてます)。一応この建物ベースは英国風なのですが(だからか便器は英国製)施主である岩崎久弥氏の留学先のペンシルバニアの雰囲気を入れてるのだとか。
遠くから見るとそこそこまとまってるように見えるから不思議です。遠目美人っていうのかも。

洋館部分はゲストハウス的なもので、岩崎家の人々は日常は屋敷のほうで暮らしていたのだとか。もちろんこちらは日本人大工の棟梁が設計施工してます。
建物全体が重要文化財です。



○湯島
岩崎邸からそんなに遠くないところにあるのが湯島天神。(ブラタモリでもやってた記憶がありますけど)本郷台地の上にあります。

切通坂からの入り口にある、登龍門(シャレじゃなくて)

道真公も祀ってるせいか、湯島天神は学問の神様としての信仰が強く、合格祈願のお参りに東京の受験生の何割かは来てるはずっす。十代のころに私もここへ来てます。勉強はしててもやはり不安だったんすけども。
通称女坂。泉鏡花の「婦系図」ってそういや湯島がでてきたかな。

通称男坂です。こちらは江戸期からあったらしい坂。湯島天神は幕府公認の毎月発行していた宝くじ(富くじ)の発行元でもあって、往来はけっこうあったようです。

坂の下の道をまっすぐゆくと、松坂屋前になります。上野の松坂屋は江戸期から場所は変わってません。ハスだけじゃなくて江戸の痕跡がこのあたりそんなふうにあります。
さすがに写真を写すわけにはいきませんけど、湯島のあたりはホテルがあります。
あるとき「もう、終電終わっちまったね」ってな状態で相手の部屋以外でそういう流れになったのですけど、近くのホテルへ入ろうとしたら断られました。東京だけかもしれないのですが、23区内は同性二人で過ごせるホテルっていうのが多くはありません。最初はけっこうショックだったんすけどそういうものなのか、となれちまい、湯島周辺はオッケイなところがあってそのことを知ったので来るようになりました。ほんとは湯島って受験生を終えたら縁がなくなる、と思ってたのですがそういう事情で、まだ湯島に縁があったりします。そのせいか、いくらか詳しくなったかも。


○本日の不忍池
さて、不忍池のハス。

やはり昼間だと咲いてません。朝じゃないとだめかも。

以前「咲いてないハスって桃に似てるよね」っていって笑われてから絶対云わないようにしてますが、でも似てません?(個人的には玉ねぎでも可)

なんだかちゃっかり避暑・雨宿りしてるみたいなハス。しかし、ハスの葉ってでかいっすね。


以上、あんまり役に立たない、不忍池周辺の情報でした。