以前、麻酔の分量を間違えられて、意識不明で処置室はいったことがあるんすよ。三途の川を渡り損ねてこっちへ戻ってきてから、たまに「生きてるだけで丸儲け」ってことばがでてくるんすよね。
なんで俺はあっちへ行かずに済んだのか?ってのが抜けません。なんか意味があるんじゃないか、って思うけど、答えは出ないっす。答えがあるとしたらそこらへん哲学なんだろうけど、哲学とかやらんかったし謎のまま今に至ります。
大学を出て大人になって社会人を十年以上やって、でも見知らぬ領域を含む問題にぶちあたって自覚するのは自分が知ってる領域なんてたかが知れてるんだよなーってことで、ましてや自分が熟知してる・こなしたことなんて、案外ちっぽけなことでしかなかったりします。なんで三途の川をわたらずに戻ってきたかは謎だけど何らかの意味があるはずで、それを無駄にしないためにも見知らぬ領域でも必要なものに直面したら死ぬまで勉強とか努力とか理解ってのはしなきゃいけない気がするのです。
でも、見知らぬ領域・知らないこととかを前にするとめんどくささと同時に不安になっちまうんすよね。こういうときは高校生だったときの自分を引きずってて、それは微分・積分の問題集をはじめて開いたときの、俺ほんとにこんなもんとけるのか?っていう(基本問題だけ解けてもしょうがなくて基本を軸に応用も解かなければければならないとわかったときのうっすらとした背筋の寒さつきの)のと同種の。
で、「生きてるだけで丸儲け」ってのは明石家さんま師匠の言葉なのですが、どういういきさつで言ってるかは詳しく知らないっす。でも「ああどうせ生きてるだけで丸儲けなんだし」ってのがぽっとでると呆然としつつもなんとなく踏み出しせたりするから不思議なんすが。