休みの話(もしくは内国為替の話)

世の中連休中です。

休みの日というのは法律で決めてます。祝日法ってのがあります。で、これも変えようって話があって、地域ごとに異なる時期に大型連休を取得するようにするという祝日法の改正案があります。地域ごとに大型連休を定めることで渋滞もなくなるし混雑が分散されてでかけやすくなるだろう、観光需要が増えるのではないか、みんなそのほうが良くね?というのが頭のいい人・えらい人たちの発想です。
でもですねー、そう簡単に地域ごとに休みを作られると困るんすよ。
内国為替ってのがあります。この国の金融というか商業の根幹を支える制度のひとつです。銀行に振込送金を依頼したとき、たとえば宮崎銀行から青森銀行へ振込送金する場合、東京銀行協会へ情報がゆきます。東京銀行協会が全国の金融機関各行間の取引に関する処理をやって集計します。で、集計してたとえば青森から宮崎向けと、宮崎から青森向けの相互の取引が同額なら相殺できますが、差があったら調整しなければなりません。東京銀行協会は青森、宮崎ほか各行ごとに調整が必要な額を計算してそれを日本銀行に通知します。で、日銀の(銀行各行が日銀に預金をいれてますからその)預金をつかって決済します。それが平日・銀行営業日の午後4時過ぎです。これ、全国一律だから何とかなるシステムなのです。宮崎銀行のある九州は平日で業務を行ってるけど青森銀行のある東北は休みだからとか、九州東北は平日だけど関東は休日で東京銀行協会が連休中で閉まってるから今日は全国的に決済ができません、なんてのはシャレにもならんのです。内国為替のシステムを知ってたら、地域ごとに祝日を動かそう、なんて発想は出てこないでしょう。


現実がどうなってるかってのをすっ飛ばして、頭に描いた観念をもとに現実を従わせよう、って言うのがなんだか怖いなー、って思ってるんすけど。