横須賀へ

御茶ノ水から日本橋へ出て所用を済ませた後、横須賀へ。小一時間ほどの距離です。横浜のときと同様に、横須賀へ行ったのは海を見たくなったからです。
汐入のダイエーから港内めぐりの船がでてます。つい最近教えられて存在を知りました。横須賀は一人でも二人でもなんべんも来てるのですが、前はなかったような。
海を見に来たついでにそれに乗ってきました。


さて、横須賀には米海軍基地があります。船は基地の中を進みます。
↓ドライドック(乾いた犬ではありません)

艦艇を修繕するための施設です。いまは閉じてますが必要があると開いて船を入れた後、海水を抜き、修理します。横須賀には艦艇の修理施設のほか学校やスーパーがあります。
↓左の黒いのが潜水艦(海上自衛隊)右の船はホテル船

海上自衛隊も横須賀に駐屯してますが一部の潜水艦部隊は米軍基地と同居してます。
ホテル船というのは、横須賀在住じゃない米軍関係者を宿泊させる場所。


さらに基地べりを進みます。
↓左が駆逐艦ステザム(63)、右がマスティン(89)。

いまの攻撃はどちらかというと爆撃機による爆撃や潜水艦による魚雷攻撃よりも、ターゲットから離れた場所にいる艦船からターゲットに向けてミサイルを撃ち込むことを想定してます。防御する側もミサイル等の空からの攻撃に対する備えを最重要視してます。イージス艦ってのを聞いたことがあるかもしれません。このイージス艦ってのは「イージスシステム」という米海軍の防空用艦載戦闘システムをのっけた船を指します。ステザムもマスティンもそうです。レーダーでミサイル等を察知→攻撃するんすけど、いままでのものと違って迎撃能力が桁違いに良いといわれてます。ちなみに専守防衛を国是とする日本にもアメリカから技術提供を受けて建造したイージス艦が6隻あります(アメリカは70隻以上)。
駆逐艦カーチス・ウィルバー(54)ほか

カーチス・ウィルバーもやはりイージス艦。念のため書いておくと、300人程度が乗り込みます。全長153メートル。電車8両分っていえばわかりやすいでしょうか。



↓判りにくくて恐縮ですが、左の船が空母ジョージ・ワシントン
ボスニアや中東で活動したあと極東へやってきました。全長333メートル。東京タワーを横倒しにしたような、って云えばわかりますかね。遠くから見てもでかかったです。乗組員は飛行機系を除くと3000人強。すべてあわせると5000人を超えます。ちなみに動力は原子力で原子炉を積んでます。
いまは横須賀が事実上の母港です。横須賀にいるときには空母の上には艦載の飛行機はおらず、横須賀に入港するまえにぜんぶ厚木へ飛ばします(厚木基地をつかうのは海軍です)。というのは空母が全速力で航行していなければヘリコプターを除いたすべての飛行機が空母からの離発着できないからです。神奈川県の藤沢や大和では厚木基地の騒音に悩まされてるのですが、この空母の艦載機が関係してきます。空母が横須賀に居る間は艦載機は厚木を空母に見立て「タッチアンドゴー」と呼ばれる離発着訓練をするのです。で、横須賀から空母が出港すると、全速力で航速してるジョージワシントンめがけて飛行機が次々と厚木基地から飛び立ちます。そうすると藤沢あたりはすこし静かな夜になります。神奈川県にとって、いろんな意味で影響のある空母です。



このあと外海を航海したあと、こんどは海上自衛隊エリアへ。
護衛艦はつゆき(122)

汎用護衛艦です。汎用というか基本的に対空、対潜水艦等一通りの装備がある設計です。ちなみにソ連が存在してたころの80年代前半の船ですけどちゃんと現役です。
護衛艦はたかぜ(171)

全長150mほど。ミサイルを迎撃するためのミサイルをもつ護衛艦です。どちらかというと対空を意識した艦船です。イージス艦と任務は似てますが、イージスシステムはありません。なお日本は専守防衛です。ですから、よその国からみて戦艦に思えてもこの国では護衛艦といいます。で、この船は定期的に海上での哨戒活動を行ってます。
昼休みなのか甲板に乗組員の方がいて、その人に傍にいた男の子が手を振ると大きく振りかえしてました。


補給艦ときわ(423)と砕氷船初代しらせ(5002)

ときわは燃料等を補給する船です。海上自衛隊の艦船等への燃料補給等が任務のひとつですが、ここ数年の国際貢献の一環としてインド洋へたびたび向かい、フランス軍・オランダ軍・イタリア軍等の艦船への燃料補給を行ってました。任務が終了したのでいまは横須賀へ戻ってきたばかり。
オレンジ色の船体の初代しらせは砕氷船南極観測船です。管理運用は海上自衛隊で、やはり80年代前半の船で老朽化が進みつつあったので新造船にバトンタッチしました。実は退役させても使いみちが無くてスクラップになるところだったのですけど、気象予報会社が購入して改装し船橋市で公開・展示が決定してます。



護衛艦ひゅうが(181)

全長197m。でかかったです。なお自衛隊でいちばん大きい護衛艦です。空母のような形をしてますけど載ってるのはヘリです。この船も定期的に哨戒活動の任務に当たるので機関砲等武器も有りますが、災害時には被災地のそばまで行き救援基地としての機能を果たすことを想定してます。戦争と同じくこの船がフルに機能が発揮しなければならなくなる事態はないほうがいいのですけども。
とりあえず、海を眺めて横須賀で息抜きしてきました。