全部見たわけではないのですが、昨夜「日本橋たいめいけん」のシェフがテレビに出てました。知らない店ではないのでちょこっと見てましたです。
で、調理場内のトラブルシューティングについてもやってて、若いコックさんがベテランの人とトラブルを起こして涙目になって辞める辞めないってな話の後に誘導尋問でどうしたいの?ほんとに辞めたいの?ってな事を訊き、結論をきいてからそのベテランの人のところへいって「許してやってよ」っと頭を下げに行くシーンがありました。ああ、どこの世界も大変なんだなあ、組織をどうやって維持するかってのはみんな苦心してるんだなあ、と思って見てました。


人間なににイラつくか、っていったら、他人の速さと自分の速さってのがあわないときにイラつきます。何人かのチームプレーが必要な場合は、誰かが足を引っ張るような感じになると、ほかの人間がイラつくのです。そこでトラブルがおきやすくなります。トラブルってたいてい、経験不足の人が震源地のことが多いです。で、起きてしまったものはしょうがないし、どうやってリカバリーするか、ってのがそうなってくると重要です。去年、勤務先で、大阪弁のいくらかきっついのが新人になにかひとこと云ったらしく、新人から涙目になってて行きがかり上相談をうけたことがあって、原因がなにか(そのときは経験不足から来る足を引っ張てた)、あんたはどうしたいのか、もし継続するならあんたは自分でどうしたらいいと思うか、ってなことを誘導尋問して本人が結論出すように仕向け、一緒に事態修復にいったことがあります。ちなみにこのプロセス、以前に京都出身の先輩がやってたのを傍で見てたのでできた芸当です。


昨日のテレビでも云ってたのですが「俺らの商売、不貞腐れたりしてもしょうがない」ってのはまさにそのとおりで、多人数で動く組織は誰かが不貞腐れて任務を放棄するとそのぶん誰かがカバーしなきゃならんわけで商売になりませんし、そもそも不貞腐れる行為自体はなにも解決しません。しようがないのです。不貞腐れる、ってのは怒りと同じで、俺を丁重に扱え、っていう一方的要求がその本質に近いはずですが(ただ怒ってる人の話をよく聞くと怒りたくなる気持ちってのはよくわかることが多いし、不貞腐れたほうの話を聞くとこれまたなんとなくわかることが多いのですけども)一方的要求が何かを解決するかっていったら、そんなことまずないんすけどね。でも、双方プライドがあるから自分から動くことってあまりしないので、こじれた原因を解決するきっかけが難しい。そういう時、尻軽に動ける人間が動いたほうが不毛な時間を消費せずに済むのでいいはずっす。たぶん。



頭を下げるシェフをみててフットワークはどんな職位になっても軽いほうがいいのだろうなあ、と思ったり。
また、料理の仕込みと同じで人間関係とか組織内の維持っていうのも安易な方法っていうか、楽な道ってあまりないんだろうな、とテレビをみてて思いました。

↑ちなみにこんな店です。日本橋コレド(昔の日本橋東急百貨店)の横にあります。洋食屋さんで(味は昔と違うけど)ボルシチコールスローも有名。
一階は安くて(1000円から2000円)二階はお高めです。たんぽぽオムライスっていう、チキンライスの上にふわふわオムレツがのってて、目の前で開くとオムライスになる、ってのがあります。