桃太郎

海賊というとどうしてもフック船長を思い出しちまうのですが多分日本にも海賊っていたはずなです。はずです、ってのは倭寇の話は大学受験レベルの話として知ってるのですが、ようは詳しく知らないからです。長崎の平戸あたりを治めた松浦氏が海賊の末裔という説を知ってるくらい。


いちばん引っかかってるのは桃太郎の話で、「お腰につけたきび団子、ひとつわたしにちょうだいな」っていう童謡がありますがあのきび団子のきびが吉備とするといまの岡山のあたりになります。岡山の対岸の讃岐には崇徳天皇の墓がある五色台ってところがあってそのふもとが鬼無(きなし)という地名なのです。去年、ベネッセミュージアムを見学しに本四間を船で渡ったのですが、偶然なのか高松のそばには鬼ヶ島があります。あんまりの偶然なのでほんまかいな、って思っちまうのですが、それ以降、あれは鬼退治の名を借りた瀬戸内に君臨してたであろう海賊征伐の話なんだろな、と思ってます。なにも確たる証拠はありません。


ただ、桃太郎ってずいぶん乱暴な話なんすよね。叩きのめした鬼たちが集めた財宝を桃太郎たちは持って帰って故郷で配るのですが、なんだかねずみ小僧の話に似てるなあ、と思いました。つか、ねずみ小僧のほうがまだ暴力的でないだけマシです。桃太郎の話が広く伝わり好まれるのは勧善懲悪、義賊っぽいのが好きな国民性から来てるのかなあ、とは思ってるんすけども。
さいころから桃太郎の話にどこか馴染めなかったのですが、正しいとか正義ってのに、どこか反発心・警戒心を抱いちまう天邪鬼なところがあります。ああそうか、滅ぼされる鬼は私かも。