10代のときに買ったズボンが実はまだはけるぐらい体型は変化してないのですが、30代になって数年経ちますが変わったことってあるかっていったら20代のときに比べて体力が落ちたことでしょうか。仕事がちょっとタイトになりつつあるってのもありますが、帰宅時の電車でうつらうつらすることが増えました。見えないところで身体は確実に変化してるみたいです。
いろんな人から30代になるとそろそろくるよー、って云われてるのは加齢臭で、いつくるかいつくるかとびくびくしてるのですが、自覚症状がありません。でも白髪が数本出てくるようになってます。もう10年か20年したらもっと増えてちっとロマンスグレーなおじ様になれるんだろうか、なんて思ったのですが、正直、自らの40代50代ってのが想像できません。できればカッコいい中年になりたいところ。


30代と20代をくらべてほんと変わったな、と思ったのは涙腺が弱くなったことです。昨日、録画してまだ見ていなかったビデオをいくつか見たのですが、その中に今年の春の琴平の金丸座での勘三郎丈の「俊寛」に関するドキュメントがありました。
先代の勘三郎丈の最期の舞台が「俊寛」だったらしく、その舞台に一緒に現在の勘三郎丈も立ってました。実は「俊寛」の一番最後の場面、自分以外の流人たちが薩摩の孤島から京へ戻る船にのりながらも俊寛が一人島に残ることになる場面で船の上の仲間に最後に「未来で!(この世で会えないであろうからあの世で)」って叫ぶシーンがあるのですが、父親が肺がんであることを知っていた勘三郎丈はその永訣の別れを意味するその言葉がひどく重かった、と云うような告白をしてました。それを聞いちまったせいもあるのですが、ほんのさわりだけにもかかわらず、勘三郎丈が発した永訣の言葉にこめられた感情やその言葉を発したあとの表情を見てたら涙がぼろぼろでてきちまいました。
前はこんな簡単には泣かなかったはずなのに、なんて考えつつ顔を洗いながら、人間って変わるもんなのかも、と思いました。
ポーカーフェイスのできる、カッコいい中年になるのは、すこし難しそうです。