自分にとって知識のある分野ってのは、その知識のぶんだけ常識だと思ってることが多かったりします。目上の人への敬礼って正式には帽子をかぶってる場合は挙手の敬礼です。当然、脱帽時には挙手の敬礼ってのは失礼にあたります。そのかわり脱帽時の敬礼っていうと10度くらいです。それ以上の角度の敬礼ってのは、かえっておかしいです。それを叩き込まれた人間なのでそれが常識だと思ってるんすが、誰もが知ってるわけではないみたいです。そのせいか、知ってるからか、なんとなく知らない人間を見下したり批評したくなるときがあります。あーあの人は礼儀知らずなんだなって感じで、です。でも、それはちょっとへんで、知らないこと自体はどうしようもないことだったりするし知ってるからって偉いわけでもなんでもないのです。ただ、なにかを知ってるってことは、知らない人を「そんなことも知らないのか」と見下す可能性を秘めてると思います。見下す人っていうのは誰もが嫌いですから、知らないことを訊くことを躊躇する人も居ます。実は社会人になって、人に教えるってことをたまにするようになって気をつけなきゃ、っておもったのはそこです。時として相手の理解度が低そうなときには、知らないことは恥ずかしいことでもないしこれから知ればいいことであって、わからないことがあったら「はずかしがらんでいいから声に出してね」ってどことなく、エロい言葉を使ったりもします。


自分の神経がどこかおかしいらしいのは「知らないことは別に恥ずかしいことじゃないんじゃ」ってところだったりします。「知らないことはどうしようもないことだから」ってのがあるので、臆面もなく恥ずかしがらずに他人に訊く癖がいつの間にかついてました。自分の知らないことを知ってる人の話を聴くとほんと勉強になりますし、時として面白いです。昔の人は巧いこといったとおもうんすよ。知るは楽しみなりっていうやつ。
ただ失敗もしてます。
金沢って金箔細工で有名なんすが昔の金沢の貨幣は西日本の銀なのか東日本の金なのかってのを疑問に思ってて、北陸線が動くまでの時間潰しで寄った金沢の歴史博物館で質問したのですが、そんな質問を受けたことがなかったらしく、ガイドさんがとっさに答えられなくて絶句しました。そんなふうに自分が知らないことを他人が知ってるとは限らないってことをたまに忘れます。後で調べてくれて銀ってわかったのですが、知らないからって自らが調べる前に疑問を他人にぶつけるべきじゃないのかも、ってなことをそのとき思ったです。人は歩く百科辞典じゃないわけで、そのことをよく忘れちまうのですが。


私の考え方ってちょっとおかしいところもあると自覚してるので大きな口を叩けませんが、人間は十全ではないし百科辞典でもないわけで、知らないことは恥ずかしいことじゃないと思うのです。でもいま、云われるまで気がつかないこととか細かな知識について、気がつかないことや知らないことを見下す風潮になってる気がしてならぬのですが、そこらへんなんとなく違和感を感じることがあったりします。