失敗1

社会人になって駆け出しの頃、たいした問題にはならなかったのですが、失敗して怒られたことがあります。上の人にすこし怒られそれなりに萎縮してたのですが、終業後いろいろ指導してもらってた先輩には諭されました。
「あんな、今日怒られよったやろ?でも最初っからなにもかもできる人間なんて居らんのや。でな、体験と経験は違う。いろいろな体験は誰でもできるけど経験をつむってのは体験を噛みしめて自分自身のものとして咀嚼しなきゃだめ。体験は流れ去るけど経験は蓄積すれば役に立つ。怒られたからって萎縮せんでええ。でもな、なんで失敗したかってのをよく考えや。その体験を経験にしとき」
意訳するとそんなところで、経験をすることで考え方が奥深くなるし、その結果としてものの見方の精度は上がる、失敗も減るってな話だったんすがなによりも私にとっては深くて地味に利いた説諭です(こういうことを言ってくれる人がいるからいまの自分があるので、なんというか他人に生かされてるよなーなんてたまに思う)。
新社会人の頃に比べていろんな経験をしたいまはかなり進化してるんじゃないかと思いたいし、いまでも「失敗体験の多いただの人」では終わりたくないので失敗回避のためにあがいてはいるんですが、なんかこう、こちらの努力をあざ笑うかのように現実ってこちらの進化の先をいってる気がします。できうる努力をしても、失敗を回避できないときがあって失敗しちまう。


そういう時、思わずため息が出ます。