担々麺

鴨川ホルモーの映画を勤務先の隣の駅前の映画館でやってるのを知って観てきたのですが、なんだかマンガになっちまってるなーと思いつつ、楽しめました。
映画の本筋と全然関係ないっすけど、吉田山でみんな踊るっていうのがあるのですが、みんなで何かする体験って絶対忘れないよな、なんておもうのです。映画を見終わったあとエレベーターホールで余韻に浸りながら大学時代のバイト先を思い出してました。


私は大学時代に新聞社でバイトしていましたが、新入りのとき、一通りのことを教えてもらってから先輩たちやデスクと一緒に地下の中華料理店で普通の辛さではない四川料理店の坦々麺を食べました。その坦々麺を食べたあと認められたっていうか、一人前として仲間に入れて貰えたんすよ。なんのことはない、後からわかったことですが私が居た部署では伝統として新入りの男子学生は必ずとびきり辛い坦々麺を食べることが一人前として認める条件になってたのです。で、不思議なもので、後輩を受け入れる立場になって自分より後に入ってきた後輩たちが額に汗しながら坦々麺を食べるのをみると妙な連帯感がわきあがったのですけど。
坦々麺の伝統は昔からで、なんで坦々麺なのはわかりません。傍から見るとバカみたいな伝統ですが、でも私がそこにいたときはその伝統は絶やさなかったですし、今でもその伝統は続いてるんじゃないか、と思ったり。
ちなみにその四川料理店の坦々麺より美味な坦々麺に、出会ったことはいまのところありません。


映画館を出た後に地下鉄のホームへ向かいながら、伝統を一緒に守った、世話になった先輩方や後輩たちともう一度会って坦々麺を食いたい、なんて思いつつ、その同窓会を企画・実行する余裕もいまの私には現実的にないのでそっとその企画書を電車の中で心の奥底に仕舞いこんで、帰途につきました。でもいつかやりたいな、と思ったり。
仕事の都合でちょっとだけ緊張が続いてたのですが、映画がトリガーになって思考が弛緩し、夢見がちになにかをやろうか、って思えたわけっすけど、フィクションってほんと麻薬だよなー、っておもうんすよ。