景気

掛け商い、ってのがあります。その場で現金決済せず何日か後に支払います、っていうやつです。月末締めの翌月末払いなんてのがあります。この場合、2月2日に仕入れをした商品の支払いは3月末でいいわけです。いろんな会社でこの支払いの手順って違っててある自動車メーカーは部品メーカーに対して格段に支払い条件が良く代金の8割を必ず15日締め翌月16日現金でちゃんと支払うので有名でした。
会社によって掛けってのを巧い具合に利用します。チョコ100個を月末締めの翌月末払いで2月1日に掛け払いで購入し2月13日までに完売しておけば3月末まで支払猶予期間があるわけでそのお金は期限までは浮いてるお金です。もちろん目論見が巧くいくとは限りません。商売が順調にいってるときは問題ないですが会社が経営破綻するときというのは、えてして資金が枯渇してるときがおおいです。先月北海道の丸井今井という老舗百貨店が破綻したのですが、クリスマスの売り上げが極端に低く予想していた売り上げに達せすにいて手許の資金が枯渇してしまい、どうしても支払わねばならぬ債務の支払いのアテがつかなくなくなってしまった、ってのがきっかけでした。
昨日、神田精養軒という老舗洋菓子屋が破綻してます。そこそこ美味いアップルパイやマドレーヌを作ってた会社なので新聞を読んでまじ?と声を出したくらいです。なんでこの時期に?と思ったのですが冷静に考えれば平均的な商習慣として「支払い期限の上限は60日」ということがよくあります。今から60日前はクリスマス直前です。たぶん、想像するにクリスマス商戦が不発で売り上げがのびず手許の資金が足らなくなり、掛けで買ったであろうクリスマス向けケーキや洋菓子の材料代の業者への支払いに事欠いたのかな、と。
去年のクリスマスってのは、ほんと消費が冷え切ってたのだと思います。正直思いっきりそこのアップルパイは私のお気に入りだったので、景気がケーキを作る洋菓子屋を直撃するという事態はほんと笑えなかったりします。