流行語大賞ってのがありましたけど、個人的に一押しは前首相の「あなたと(は)違うんです」だったりします。映画の寅さんのなかに「俺とテメエは赤の他人だ、その証拠に俺が芋食ったからって、テメエが屁をこくわけじゃねーだろう?」ってのがあってそれが脳裏をよぎったので、そうだよなー確かに違うよなー正論なんだけどなー、自分を客観的に見ることができるっていうのは大事なことだと思うんだけど、あのタイミングでいわないうほうがインテリジェンスかも、と思ってニュースを観てました。ただ福田さんは福田さんの生理に従って発言したんだとおもいますし誰だってテメエが芋食ったらテメエの生理で勝手に屁をするわけで、そういう意味では福田さんは素直で健康なんだとおもいます。屁にたとえるあたり、私もまったくインテリジェンスじゃないわけでそんな私が弁護してもほんと屁にもならないんすけど。
差異ってけっこうあって、ただその差異が判るかっていったらわからない人だっているわけで、例えばブラジャーのAAとAなんて当事者かよほど観察眼に優れた男じゃないと見分けはつかないと思います。私は必ずしも目がいいわけでもないし鑑定眼も審美眼ももってるわけでもなく、差異を見分けられるかっていったら苦手なほうです。見分けがつかなきゃ殺す、といわれたら必死に覚えはするとおもいますが。
で、緻密にモノをみてるつもりでも、まったく他人と違う意見・見解をもつことがあります。同じものをみていてもまったく違ってきたりする。違う目を持ってる人間なのかも、っていうのがけっこう多かったりします。だから他人が「そうじゃないでしょう?なんでそう見るの?おかしいんじゃない?」っていう意見をもらう度にテメエが見た世界が俺に見えるわけじゃねーんだ、って思うのですが他人にはそれはほとんど見えてないわけで、ひどく歯痒かったりするんすけども。そのとき「あなたと(は)違うんです」で、すませてもいいのですが、それだとなんの解決にもならんかったりします。自分が見えたものを他人に伝えるための文法とか文章論とかの「自分がいいたい事を不特定多数に伝えるために必要な技術」を、ちゃんと教養のときに受講しとけばよかったなーと、大学卒業して十年以上たってから、特にネットに関与するようになってから(常日頃使ってる言葉と違う言葉が流通する世界に足を踏み入れてから)痛感します。少年老い易く学成り難しってのは学生時代は知識として知っていても対策とらなかったこっちが悪いのですけど。