非科学的証明困難な問題と欲しかった質問

たいてい男女どちらでも、良かったと思うセックスは記憶に残ると思います。大きな声では言えないけどでも小さな声で言っても同じなのであえていうと、はじめての相手よりもいちばん激しかったり気持ちのよかったセックスのほうが絶対鮮明に記憶に残るはずです。それがなかなか消せないとけっこう比較しちまいがちじゃないかと。比較しちゃいけないときもあるでしょうが。で、一人しかしらないというほんと幸福な人は別として、比較の結果、身体の相性っていうのを信じてる人って案外居るんじゃないかと思います。ただ、身体の相性っていうのの存在とそれがセックスを左右するかどうかはほくろのある性器が名器であるという噂同様にその事実が正しいことを証明することは不可能に近いし幻想というか単なる思い込みのはずです。
しかし妙に説得力あるんですが。


その日だけしかセックスしたことがない相手が「身体の相性」って云うことを言い出したときちょっとびっくりしたことがあります。本心からいってるのかどうかは判らないけど「身体の相性が良いみたいじゃない?だからもう一度」って云う口説きをはじめたときです。その彼にとってはその日のことが記憶に残ったのかもしれず、でも個人的にはこちらが幾らかリードして演技を含めて合わせたつもりでいてさらに過去の「もっと良かった記憶」がこびりついてたものの、うしろから抱きしめられながらだったので、それはあなたの思いこみですと否定したらなんだかこう空気が凍りそうだと思って曖昧に笑ってそうかもしれませんねいいですよー、といったことがあります。一応、楠田(仮)は空気嫁る子です。身体の相性というモノサシは、人によって違うんだなあ、と思わされたというかなんというか。でもそのとき決して悪い感情や印象を相手に持ってなかったので、まわりくどいこといわずにもう一回抱きたいから逢ってもらえませんか?って質問されても首はタテに振ってたとおもうんすけど。
つか、そのほうが嬉しかったかも。


自覚があるんすけど、えてして何割かの男も女も、もう一発お願いしたいような相手に対してストレートにそれをぶつけられずに大義名分のようなものを求め非科学的なものすら持ち出して理屈をこねたくなる性質をもつ、どこか滑稽な動物であるとおもいます。