謎の協同組合

20代の頃、みせたことのない相手にパンツの色を知られてたことがあります。
謎解きをしておくと、どういういきさつかはともかく野郎のブリーフをチェックするような同性の後輩がいてその彼がある女性にしゃべったってことっすね。で、楠田(仮)は水色のブリーフだ、ってことがそのうち複数の女性に伝わってました。ある日、異性の先輩からこういう話があるよ、って聞かされたとき正直最初は何でそんなこと知ってるの?と少し動揺しましたが、途中からとくに別に実害がないので「そうだよー」くらいで鷹揚に構えていました。ただ相手の下着の色を知らないのに何で向こうは知ってるのだ、というかすかな不愉快感はありましたけど。や、本気で知りたいとは思いませんでしたけども。


私は男子校出身で女性の社会ってのが良くわかってなかった時期があります。や、今でも判らないところはあります。そのひとつが、情報を共有する協同組合のようなものがあって、本人と関係ないところでいろんな話がなされることだったりします。そしてまた、あまり重要そうでないことが話題として共有されてること。それが謎。例えば誰それがどこそこで●●というてたよ、とかの伝聞情報を知ってたり、他人に対する「なんかわかんないけど、ムカつく」というものっそアバウトな意見の表明とか、水色のブリーフとかのトリビアル情報とか、そういう話。別にええやん、と思ったりするんすけど、彼女らにとっては見逃せないトピックっぽいのかな、と推測。ブリーフの色を知ってた彼は一人にしかしゃべってなかったらしいので、たぶん、水色のブリーフの情報もそういう水面下のネットワークのようなもので伝播したのかな、と思います。ほんとそんなことを知って何になるの?と不思議に思ってたんすけど情報の価値なんてどうでも良かったのかも。情報の共有って言うのは共有したもの同士の連帯感みたいなものを醸成するので価値なんか無関係でも話し易さを優先するのかな、っておもうんすけど、どうなんすかね。私はバイですよ、男に抱かれたことあるんすよ、なんていったらどれくらいの速さで伝播するのか試してみたいけどそんなことはしません。
で、この謎の情報共有共同組合組織が形を変えて近所のおばちゃんたちの謎の情報共有共同体になったり、公園デビュー認可組織になったりするのかなーと思ったり。


たまに顔をみるなんとなくどこかかわいい顔をした他の階の女の子も、ちゃんとそういう協同組合に加入してるんだろうなとおもったら、普通の女の子に見えてきました。