コーヒーを飲む大人

外食を良しとしない家で育ったので小学生のときは外食てのは滅多になくてちょっと憧れの対象で、中学になって自分のお金で通院先の大学病院そばの森永へ行ってコーヒーとハンバーガーとフライドポテトを頬張ったとき、なんだかこう、そのときも微妙に大人の階段昇ったのかななんて思ったんすけど、社会人になってから通り雨なんかの雨宿りでどこかに入ってコーヒーをのむ、なんてことをするようになったとき、ああ、ほんとに大人になっちゃったな、と思いました。

予想外の雨って困ることは多いです。
でもなんとなくその場にいる誰かと一緒に雨宿りしててもうちょっと話していたいときなんかは内心「もうちょっと降っててくれ」などと窓の外を眺めながら思ったことは何度かあります。そういうときは顔ではいくらか困った顔しながらも神様に天佑をこっそり感謝してました。
森永でコーヒーを飲んで大人の階段昇った純真な少年は、いまはもう、ちょっと不純な演技派のコーヒーを飲む大人になりはてました。